生態環境論
東南アジアの基盤をなす自然と人間活動の相互作用により形成される生態環境を、自然生態
と社会生態の二つの分野から総合的に考究する。自然生態論では、人間活動との関連において、
地形・土壌・植生・水域などの自然環境の特質を明らかにする。社会生態論では、生活世界を
形成する価値意識・社会組織などを、生態環境との関連において明らかにする。
自然生態論 I 熱帯林生態論ならびに生態資源論を基礎において、熱帯林の現状、利用実態、
地球環境のとの関係を考え、減少・劣化した熱帯林・生態資源の修復を検討する。また、
熱帯林生態資源が地域住民の生存基盤の安全保障に果たす役割についても考究する。そして、熱帯林資源管理の諸問題と持続的利用を考える。
自然生態論 II 生態系と人間の関わり合いを、理論と研究方法から学ぶ。理論では、生態系における人間、人類の変化と適応、環境と健康といったトピックを取り上げる。方法論は、フィールドワークに関わるものが中心である。それらに基づき、現代の地域的・地球的環境問題を、どのように研究したり、実践的に取り組んだりできるか、議論する。
社会生態論 I ヒトが生物の一種である以上、他の生物を食べて生存しなければならない。一次産業の中でも特に周囲の環境に支配をうける水産業と水産資源・生物に注目し、人間社会の、環境に対する働きかけとその影響を理解することに加えて、人間社会によって規程される資源の持続的利用・保全の様々なありかたを、他の生業とも関連させながら論考する視点を習得させることを目的とする。
社会生態論 II 熱帯生物資源の利用と保全をめぐる問題を、フィールドワークによって考察・
分析する力、さらにそれをとりまとめて発表する力を身につけることを目的とする。本年度は、生物資源の管理をテーマに、輪読とレポート作成を行う。
在地の学び方 バングラデシュの農村開発実践研究や日本でのフィールドワークの経験で得られた「在地」という地域の捉え方を、態文化複合系を理解する一つの「方法論」として、
京都市近郊でのフィールド講義を取り入れながら検討するとともに、研究することの原点を受講生ととともに野外と教室での参加型講義の中で考える。
生態環境論研究演習 I :東南アジアの自然環境と、それをとりまく社会生態環境の特質を検討するための基礎的な問題とアプローチの方法に関する演習をおこなう。
生態環境論研究演習 II 上記分野に関する具体的な事例をとりあげ、研究課題の構築とそのアプローチの方法についての演習をおこなう。
生態環境論研究演習 III 上記分野に関する総合的な問題把握と研究方法についての演習をおこなう。また、博士論文作成のために、多角的な視点からの評価や指導をおこなう。
生態環境論研究演習 IV 上記分野に関する先端的な問題と研究方法についての演習をおこなう。
また博士論文についての相互討論を深め、創造的で自立的な研究に向けての評価や指導をおこなう。
地域変動論
植民地支配、ナショナリズム、開発、グローバル化、民主化などによって、この一世紀ほどのあいだに東南アジアに生起し、現代も進行しつつある変容の諸相を総合的に研究する。時代的には近現代、地域的には東南アジアを中心としながら、必要によってはより長い時間軸、より広い空間軸で地域の変容について考える。
地域社会論 地域社会における人間関係を把握するうえで、家族親族研究の基礎知識が必要になることが多い。この授業では、文化人類学における親族研究や家族社会学について予備知識をもたない学生にもわかりやすいかたちで、家族親族研究で使われる術語の用法とその問題点について理解を深める。
地域政治論 I 総合的あるいは学際的なアプローチを重視する地域研究の立場から対象地域をよりよく掴み取ろうとすれば、そこで展開されるミクロからマクロにいたる様々なレヴェルの政治に直面することが多い。そうした政治現象を、政治学者として正面から研究するのではなく、初学者として理解しておきたい地域研究者が、比較政治学の基礎を習得することを目指す。
地域政治論 II 東南アジア各国の政治を理解する一助として、1)鳥瞰を通じて対象国の相対的な位置づけを行い、2)東南アジア政治研究ではどのようなトピックがどのようなアプローチで解明されようとしているのかを学ぶ。
地域政治論 III 2012年度はタイ政治の概説をおこなう。受講生として想定されるのは中級者、つまり深く理解すべきタイ政治研究者ではなく、ある程度理解しておくのが望ましいタイ研究者や東南アジア政治研究者である。
地域歴史論 日本人の歴史認識をめぐって東アジア諸国の人々とのあいだには依然としてわだかまりが存在している。現在の東南アジア諸国も、かつてさまざまな形態で日本の支配を受け、直接・間接の被害を被った。しかし東南アジア諸国は、東アジア諸国のように一般大衆レベルでも国家レベルでも、被害を訴える声を今のところあまりあげていない(その理由も考察していきたい)。そのため、20世紀前半において日本が東南アジア地域を占領していたこと自体さえ、現在日本国内では正確に認識されているのか疑問がある。
東南アジア諸地域に関していかなるテーマを設定し、いかなるディシプリンでもって研究していくにせよ、自分が対象とする地域が、過去に日本とどのような関係をもっていたのか理解しておくことは欠かせない。そのため、この授業では東南アジア各国(各地域)と日本との関係を振り返り、必要に応じてより詳細な研究書にも目を通す。
宗教社会論 本年度は、アジア・アフリカ地域の宗教を分析する語彙を豊かにするために、宗教社会学の基礎を学び、あわせて社会科学的な発想のトレーニングを行う。マックス・ウェーバー、ピーター・バーガー、トマス・ルックマンの代表作を読むことで、伝統的宗教、カリスマ的宗教、合理的宗教の類型論、世俗化の概念とその問題、宗教の定義をめぐる問題などを中心にディスカッションを行う。
授業の進め方としては、上記の古典的著作の講読を中心とする。その上で、アジア・アフリカ地域の事例について必要に応じ適宜言及する。
地域相関論 T 東南アジア諸国というのは民族的、宗教的に多様性が高い。加えて、経済成長により貧富の格差、都市と農村の格差が生まれてきている。東南アジアにおいて、こうした社会的亀裂(Social Cleavage)が政治的にどのような意味を持つのか、表出されているのかについて考察したい。そうすることで、東南アジア政治において重要な意味を持つ中産階層の台頭、ポピュリスト政治家の台頭といった現象をより深く理解できるようになる。
地域相関論 II 民族、エスニシティ、国家、ナショナリズムなどはグローバリズムが喧伝される今日の世界にあっても、一層日々、議論される問題である。民族とは何か、どのように歴史的に構築されてきたのか、その「実質」は何なのか。地域研究においても不可避の問題である。この授業では、これまでの主要な学説や理論を学び、アジア・アフリカを中心とする事例を検討し、そのうえで多文化主義、伝統の創造、ジェンダー、マイノリティなどに関わる今日的問題についても考える。授業の目的は、従来の民族の議論について批判的に考え、自らの研究の文脈で考察できるようにすること。
地域進化論研究演習 I 東南アジア地域の発展と変動の諸側面ならびに方向性をマクロ、ミクロの両視点から総合的に考察するための、基礎的な問題とアプローチの方法に関する演習をおこなう。
地域進化論研究演習 II 上記分野に関する具体的な事例をとりあげ、研究課題の構築とそのアプローチの方法についての演習をおこなう。
地域進化論研究演習 III 上記分野に関する総合的な問題把握と研究方法についての演習をおこなう。また、博士論文作成のために、多角的な視点からの評価や指導をおこなう。
地域進化論研究演習 IV 上記分野に関する先端的な問題と研究方法についての演習をおこなう。
また博士論文についての相互討論を深め、創造的で自立的な研究に向けての評価や指導をおこなう。
総合地域論
東南アジア社会の特質を、生態・人間環境分野、歴史・文化・社会分野、および政治・経済分野のいずれかを軸にしつつも分野横断的に考察する一方、農林漁村や都市、あるいは世帯から、地域、地方、国家、また越境し、グローバルまでの重層的な視点により、生活空間や生産現場から、東南アジア地域の動態の中で、東南アジア社会や地域の抱える諸問題や個性さらに持続性を、言語等の地域を学ぶ手法を習得しながらフィールドワーク等に基づいて実証的に考察することにより、地域の特質に関する新たな知見を得る。
地域と社会経済 II 概要 地域研究と経済発展論─東南アジア・東アジア政治経済とコミュニティー・組織・制度
目的 経済をどのように地域研究の中でとらえるのかを具体的な問題を通して考える。
地域と社会経済 III 概要:地域研究と経済発展論
―東南アジア・東アジア政治経済とコミュニティー・制度・組織目的;経済をどのように地域研究の中でとらえるのかを具体的な問題を通して考えるとともに、地域研究において経済をどのように分析するのかについて議論する。
比較農村開発論 広く世界で活躍している経済学者(あるいは農業経済学者)の優れた論考を批判的に読み、自ら考察することによって、世界のさまざまな(発展途上)地域における農業・農村開発やその政策についての理解を深める。
東南アジア史論 東南アジア史のヒストリオグラフィーをめぐる諸問題を考察する。歴史叙述の下敷きとなるメタナラティブを自覚的に問題化する諸論考を検討しながら、新しい歴史像の模索を試みる。
現代社会と地域研究 T 今年度は、「地域研究とディシプリン」というテーマで開講する。地域研究の古典・良書とされている(私がそう思う)著作の紹介をとおして、地域研究(≒ディシプリン研究)が成し遂げてきたこと、両者の関係等を振り返り、これからを考えたい。
地域相関論III 国境を越えて広がる東南アジア大陸部の上座仏教徒社会を中心に、民族間・地域間・国家間関係および文化表象の観点から、その歴史的な生成過程と今日の動態を考察する。
総合地域論研究演習 I 東南アジアの生態文化複合系の動態把握、社会・文化・政治・経済にまたがる動態とその相関ならびに地域間比較を通じての地域固有の論理や析出展開論理についての基礎的な問題とアプローチの方法に関する演習をおこなう。
総合地域論研究演習 II 上記分野に関する具体的な事例をとりあげ、研究課題の構築とそのアプローチの方法についての演習をおこなう。
総合地域論研究演習 III 上記分野に関する総合的な問題把握と研究方法についての演習をおこなう。また、博士論文作成のために、多角的な視点からの評価や指導をおこなう。
総合地域論研究演習 IV 上記分野に関する先端的な問題と研究方法についての演習をおこなう。
また博士論文についての相互討論を深め、創造的で自立的な研究に向けての評価や指導をおこなう。
連環地域論
東南アジアとアフリカに連接し、両地域の固有性の形成に大きな影響を与えた南アジア及び西アジアを対象として、その風土性、周辺地域との文化的相互浸透、現代における変貌などを考究する。そのため南アジア地域論、およびイスラーム世界論(中東地域論を含む)の2分野を設定する。
南アジア地域論 I 地域における出来事/現象を理解するには、人文・社会科学的な概念や理論を必要とする。この授業では、社会学・人類学を中心とし、それらの学説史を踏まえながら、基本的な概念と理論を論ずる。そして、それらの知識を、フィールドワークの過程や論文作成においてどのように活用するかについて議論する。
南アジア地域論 II 南アジアの主要な民族誌的研究を参照しながら、南アジア地域の社会と文化を具体的に論じる。そして、この地域の研究に関する主な論点と、社会学・人類学を中心とした研究枠組みを議論する。また、それらの知識を、フィールドワークの過程や論文作成においてどのように活用するかについて議論する。
イスラーム世界論 I イスラーム世界研究のディシプリン的基礎としてのイスラーム学について、その基礎を修得するとともに、基本問題についての表現・発信能力を身につけることをめざす。各テーマに関して、基本的な問題を論じると共に、学界および研究の現状を踏まえた論議をおこなう。
イスラーム世界論 II イスラーム世界研究のディシプリン的基礎としてのイスラーム学について、その基礎を修得するとともに、基本問題についての表現・発信能力を身につける。
各テーマに関して、基本的な問題を論じると共に、学界および研究の現状を踏まえた論議は行うが、大学院の授業であり、入門的事項は扱わない。
イスラーム世界論 VII・VIII スーフィズム・タリーカ・聖者信仰を研究する際には、さまざまなジャンルの資料が必要となる。本講義では、これらの資料の代表的なものを順次取り上げ、講読していく。
イスラーム世界論 IX 現代イスラーム世界を、それが拠って立つ思想的な基盤、歴史的展開、国際的なネットワークの実態などに着目して、動態的に考察する。本講義は、KIAS(京大・イスラーム地域研究センター)における研究プロジェクト「イスラーム世界における国際組織の基礎的研究」と連動している。
中東地域研究論 中東地域研究の基本的視座と方法論を学び、フィールドワークに必要な知見を養う。特に、中東地域の民族・エスニック関係、宗教・宗派、国家論などの諸テーマを取りあげつつ、具体的な中東イメージを検討していく。
南アジア・イスラーム論 南アジアは世界で最も多いムスリム人口を抱え、イスラーム世界全体に対する政治的、思想的、社会的な影響力をもたらしてきた。本授業では、このような南アジアのムスリムの動態をさまざまな視点から考察し、イスラーム世界全体での南アジアの重要性について再検討したい。
連環地域論研究演習 I 南及び西アジアの風土性、周辺地域との文化的相互浸透、変貌過程及び南アジア地域論・イスラーム世界論についての基礎的な問題とアプローチの方法に関する演習をおこなう。
連環地域論研究演習 II 上記分野に関する具体的な事例をとりあげ、研究課題の構築とそのアプローチの方法についての演習をおこなう。
連環地域論研究演習 III 上記分野に関する総合的な問題把握と研究方法についての演習をおこなう。また、博士論文作成のために、多角的な視点からの評価や指導をおこなう。
連環地域論研究演習IV 上記分野に関する先端的な問題と研究方法についての演習をおこなう。また博士論文についての相互討論を深め、創造的で自立的な研究に向けての評価や指導をおこなう。
課題研究
東南アジア論課題研究 I 博士予備論文の基礎となる個別課題に関する学生の研究内容について討議し、フィールドワークの視点と方法を繰り上げるための演習。
東南アジア論課題研究 II 博士論文の基礎となる個別課題に関する学生の研究内容について討議し、学際化と研究内容の深化を図るための演習。
東南アジア論課題研究 III 博士論文の作成に向けて、そこで提起された個別課題に関する学生の研究内容について討議し、それをさらに総合化・深化させるための演習。
臨地演習
アジア臨地演習 I 生態・社会・文化に根ざした地域の固有化を理解するとともに、地域が直
面する現代的諸問題を研究課題として発見するためのフィールドワークの手法を習得す
る。
アジア臨地演習 II 地域が直面する現代的諸問題を研究課題としてフィールドワークをおこな
う手法を習得する。
アジア臨地演習 III フィールドワークの過程で発見された具体的な研究課題について、国際機
関やNGO、研究機関等において研究発表や討論をおこなうとともに、必要に応じて研究
課題に即した実践活動をおこなう。
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