教育理念・人材養成の目的

研究科のめざすもの

1 教育理念

自由と自主性を重んじる本学の学風のもと、アジア・アフリカを対象とする地域研究を通じて先導的な地域研究者および地域実務者を育成することにより、地球、地域、人間の共生に向けて寄与することを本研究科の理念とする。


2 人材養成の目的

 21 世紀を迎えた現在、世界は情報・経済のグローバリゼーションの波 にあらわれています。そこでは環境問題や南北問題など、人類が総力を あげて解決に当たらなければならない問題が多く出現する一方で、東西 の冷戦構造の崩壊によって、世界各地での新たな民族主義、地域主義 が台頭しつつあります。それらが局地的な民族紛争、近代化と伝統文化 との矛盾の激化としてあらわれているにもかかわらず、世界はいまだ地 域と世界の共存のパラダイムを見いだしていません。

 こういった諸問題は第三世界、なかでもアジア・アフリカ地域に顕著で す。この地域は、低緯度熱帯地域で自生的な地域形成を遂げてきた歴 史を持ちますが、現在大きな転換点にさしかかっています。アジア・アフリ カ地域の動向は、21 世紀の世界秩序を左右する影響力を秘めていると 言えます。

 このような状況の中で、我々は地球社会の構成員としての役割を果た すために、真に持続可能な地球社会の発展の方向性を打ち出し、アジ ア・アフリカ地域の自立と共存を可能にする新たな世界秩序の構築に 向けて、社会的、学術的に貢献していかねばなりません。そのためには、 既存の学問分野の枠組を超えた学際的・総合的な地域研究の推進が 必要です。本研究科が目指すのは、従来の書斎科学や実験科学とは異 なった、フィールドワークを基礎とする教育研究であり、国際的な視野を もって地域の総合的理解を可能とするアジア・アフリカ地域の専門家を 養成する場の創出です。

 日本の国際貢献に対する世界の期待が高まる中で、国際協力の流れ は、従来のインフラストラクチャーの整備を中心とする、技術・経済開発 主体のハードな国際協力から、地域の実情に応じ、ニーズに沿った持続 可能な経済発展や社会厚生を推進しうる人材の供給という、ソフトな協 力へと重点が移りつつあります。そうした協力の成否は、地域の実態把 握、すなわち地域の生態、社会、文化に根ざした「地域の固有性(地域 性)」への深い理解の有無にかかっています。とくに、日本や欧米諸国の 風土とは異質の低緯度熱帯地域を対象とする国際協力にあたっては、 そのような配慮が不可欠です。

 このような社会的、学術的な要請に応えるために、本研究科では5年 一貫制の博士課程のもとで、長期にわたるフィールドワークを根幹の方 法とし、アジア・アフリカ地域の生態・社会・文化の相互関係を総合的 に把握しうる地域研究・教育を推進します。同時に、国際協力などの仕 事に実務的に対応できる人材の養成をも射程に入れており、必要に応じ て修士学位授与の制度を併用しています。


The Mona Lisa

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