臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

■■■■■■■■■■■■■■■ June 2008 第60号 ■■■■■
 アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
 Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1037 】■

___________今月号の目次_________________

□「ゴムの時間?」..................................フィールド便り
□「ファッション・リーダー」........................メルマガ写真館
□院生のインターンシップ実施報告..........ラオス、タイ、タンザニア
□問題発見型フィールドワーク実施報告............インド、タイ、中国、
......インドネシア、フィリピン、ミャンマー、エジプト、モザンビーク
□編集子より
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■フィールド便り・15便

「ゴムの時間?」
..................岩田剛(東南アジア地域研究専攻)

「ゴムの時間」。インドネシアに関わりのある人ならよく耳にする
ことばでしょう。文字通り、時間がゴムのように伸びたり縮んだり
するという意味で、時間にゆるい習慣をさします。

さて、インドネシア東部の南スラウェシ州都マカッサルで、地元の
有力者へインタビューをしに行ったときのこと。私は寝坊をして、
1時間弱到着が遅れてしまいました。遅れたことに対して詫びなが
らも、ゴムの時間だからという感覚で、そのまま本題にとりかりま
した。

しかし後で別の人から、私が遅れたことに先方がかなり怒っていた
ことを聞かされたのです。こちらからインタビューを申し入れてお
きながら、遅れてやってきて、しかも、つたないことばで根掘り葉
掘り話をきく。相手方が不快に感じるのも頷けます。

しかし、その方が第三者を通じて私に不満を伝えてくれたことは幸
運でした。自分に1人前の研究者だという偉そうな気持があったこ
とを気づかせてくれたからです。

自分の研究は、現地の人たちに「学ばせてもらう」ことによって成
り立っているという、当たり前ながら忘れがちなことをいたく感じ
た出来事でした。


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むことができます。
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■メルマガ写真館......フィールドでの写真からはじまるコラム
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「ファッション・リーダー」
...................藤田知弘(アフリカ地域研究専攻)

長期で住み込み調査をしていると、どうしても"ゴミ"がでてしま
います。書きなぐった藁半紙、いらなくなった調査道具、etc。
こういった不用品の中には私の家族・・・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/2008_6.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

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■院生のインターンシップ実施報告...PDFファイルで掲載しています
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■インターンシップ実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_is_2006.html

□Anoulom VILAYPHONE
"Vegetation recovery process in swidden cultivation of a village
in Northern Laos"
【派遣先国】ラオス
【派遣先機関】Nam Ha National Biodiversity Conservation Area

Having a chance to conduct a study in Nam Ha NBCA, especially
Nam Ha village, that has helped me to compare the changes of
land use both due to impacts・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/anoulom_1.pdf

□田崎郁子
「タイ山地におけるカレンの生業変容に関する人類学的研究」
【派遣先国】タイ
【派遣先機関】Department of Sociology-Anthropology,
Faculty of Social Science, Chiang Mai University

本研究の目的は、第一に、換金作物を通して、タイ社会/国家がカレンを
はじめとした山地に居住する人々をどのように見てきたのか、規定して
きたのかを文献資料などをもとに・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/tazaki_1.pdf

□藤井千晶
「東アフリカにおけるイスラーム知識人」
【派遣先国】タンザニア
【派遣先機関】Zanzibar Islamic Heritage

報告者は、東アフリカの預言者の医学(クルアーンと預言者ムハンマドの
言行録に加え、預言者の生きた時代の伝統的な治療実践に基づいて行われ
る医療)の位置づけとその社会的役割を・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/fujii_1.pdf


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■問題発見型フィールドワーク実施報告...PDFファイルで掲載しています
=====================================
■問題発見型フィールドワーク実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_fw_2006.html

□飯田玲子
「インド西部マハーラーシュトラ州の民俗芸能タマーシャーに関する
人類学的研究」
【派遣先国】インド共和国

本研究の目的は、タマーシャーの全体像の提示にあり、特にタマーシャー
の歴史的背景,社会的位置付け、地理的な拡がりに重点を置きフィール
ドワークをおこなった・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/iida_1.pdf

□紺屋あかり
「東南アジア地域におけるサウンドスケープ研究」
【派遣先国】タイ王国

これまで音に関する研究は、工学的な量的調査(騒音研究、音響心理)
を中心に行われてきたが、一方で人類学、社会学、言語学、民族音楽学
などの分野でも音の文化的側面に・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/konya_1.pdf

□佐藤若菜
「中国西南部におけるミャオ族の刺繍継承に関する研究」
【派遣先国】中華人民共和国

本研究は、母から娘へ伝えられてきたミャオ族の刺繍が、現代中国におけ
る社会的・経済的変容の中で、どのように継承されているのか、その技術
はどのように持続・変容しているのか・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/sato_w_1.pdf

□西嶋謙治
「カカオの生産と流通に関する研究」
【派遣先国】インドネシア共和国

私の研究では、以上のような状況下で同地域の小農はいかなる選択を行う
ことで自らの利潤安定化および最大化を図っているかということを明らか
にしたいと考えている・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/nishijima_1.pdf

□日向伸介
「シャムの臣民形成に関する一考察」
【派遣先国】タイ

本研究の目的は、ダムロン親王が、(1)どのようなシャム国王像を提示
しようとしたのか、(2)その目的は何であったのかを明らかにすること
である。ダムロン親王をとりあげる理由は・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/hinata_2.pdf

□福田晋吾
「産業衰退期における企業の生産戦略」
【派遣先国】フィリピン

研究目的は、海外製品の流入に伴ない、競争が激化した状況下で、いかに
プレーヤーである製靴業者が厳しい競争環境に対応してきたのかを分析す
ることである。従来までの議論・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/fukuda_2.pdf

□Rosy Ne Win
“Evaluation of Land Use and Land Cover Changes of Kabaung Reserved
Forest in the Bago Mountains, Myanmar”
【派遣先国】ミャンマー

The shifting cultivation practices conducted by Karen people in
Kabaung village were studied through interviews with households
of the village・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/rosy_1.pdf

□安田慎
「イスラーム世界における移動と人・物・文化」
【派遣先国】エジプト、シリア

本研究は、現代多くの人々が参加するイスラームの参詣現象の実態と、生活
の中での位置付けを把握する事にある。過去よりイスラームでは各地で盛ん
に参詣が行われていた。しかし近年では特に・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/yasuda_1.pdf

□菅野直美
「モザンビーク都市部におけるHIV/AIDS治療実践」
【派遣先国】モザンビーク共和国

本研究は、国際機関や国際NGOなどによる医療援助が集中している、モザンビー
ク都市部のARV治療をおこなっている3つの医療機関を事例として、従来あま
り焦点をあててこられなかった南部アフリカにおける治療の・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/kanno_1.pdf

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◆編集子より◆先月号に引き続き、「魅力ある大学院プログラム」による
派遣報告が数多く寄せられています。フィールドでの経験は一時に終わる
ものではなく、その後の人生や日常を変える強い力となるものです。
フィールドの熱い息吹を伝えるためにも、アジア・アフリカ地域研究情報
マガジンの発行を継続していきたいと思います。
今後もメルマガのご愛読を、よろしくお願いいたします(K)。
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支援室 より発行されています。
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作成日: 2008年8月19日 | 作成者: 事務局
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