臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

■■■■■■■■■■■■■■■ November 2008 第65号 ■■■■■
 アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
 Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 970】■■■■

___________今月号の目次_________________

□「保護林vs金のなる木」..........................フィールド便り
□「電気インジェラ調理器」........................メルマガ写真館
□ 大学院教育改革支援プログラム
□ フィールド・ステーションHPの紹介..........「メディアギャラリ」
□ セミナー情報
□ 編集子より
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■フィールド便り・20便

「保護林vs金のなる木」
..................川江心一(東南アジア地域研究専攻)

保護林を守ることと金のなる木を植えること、どちらを優先させるべ
きでしょうか。

ラオス北部、市街地近郊の一村。電気は引かれているものの街灯はなく、
水道やガスもありません。この村は、90年代半ばにこの地域で最初に
ゴムの木を植えました。2002年にゴムの収穫が始まってからは、ゴ
ムの売り上げで大儲けをしました。地方公務員の平均的な月給が7,000〜
8,000円のラオスにおいて、一世帯当たり月平均で20,000〜30,000円もの
売り上げがあるのですから、まさに金のなる木です。

ゴムが儲かるとわかった村人たちは、翌年以降次々にゴムの木を植え始
めました。そして、2005年には、政府により保護林と指定された森
を切り開き、ゴムの木を植えました。彼らからすれば、少しでも多くの
ゴムの木を植えて、経済的豊かさを手に入れる貴重な機会をみすみす見
逃す手はありません。その上、ゴムの木を植えた人たちは、その代償と
して、植えた木の本数に応じて村にお金を支払いました。そのお金は、
村人の新たな飲み水確保のため、湧き水を引く工事費用に使われました。

この保護林を守るべきであったかどうか、その答はそれぞれの立場によっ
て異なると思います。多くのお金を得て豊かな生活を手に入れたい村人、
地球温暖化防止のため森を守りたいNGOや国際機関、自国の農業発展と
森林保全を両立させたいラオス政府。この小さな村の小さな森の問題は、
"経済発展と環境保全の両立"というグローバルな課題のまさに縮図の
ようです。この森でそれぞれの利害をどのように調整するかを考えるこ
とが、グローバルな課題解決の糸口となるはずです。
__________________________________

このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから
ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html

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■メルマガ写真館......フィールドでの写真からはじまるコラム
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「電気インジェラ調理器」
...................金子守恵(アフリカ地域研究専攻)

エチオピアには、在来の技術と近代的な技術がむすびついた日常生活に
欠かせないモノがたくさんあります。そのひとつが、この「電気インジェ
ラ調理器」です。この調理器は、主食であるインジェラ・・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/2008_11.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/bn.html

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■大学院教育改革支援プログラム「研究と実務を架橋するフィー
ルドスクール:社会に貢献するアジア・アフリカ地域専門家の養成」
****「フィールドスクール」参加者募集開始!****
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JSPS「大学院教育改革支援プログラム」の採択をうけて新教育
プログラム「研究と実務を架橋するフィールドスクール:社会
に貢献するアジア・アフリカ地域専門家の養成」がいよいよ発
進しました。このプログラムには、(1)フィールドスクール
(フィールド講義とフィールド演習)、(2)院生発案の共同研究、
(3)国際協力のための実務基礎教育、(4)言語を主とする地域研
究教材開発、の4つの柱があります。
JSPSホームページ http://www.jsps.go.jp/j-daigakuin/data/07_sinsa/h20/D006.pdf

現在、エチオピアフィールドスクールの参加者募集をおこなっています。
(募集締め切りは12月3日です)

詳しくは、ASAFAS ホームページhttp://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/

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■京都大学 GCOE プログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
大学院教育部会:フィールド・ステーション(FS)HP紹介
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フィールド・ステーション写真が充実!

□カメルーンFS
「おばあちゃん」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/media.php?s=20081001031449433

□南部アフリカFS(ナミビア)
「happy」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/media.php?s=20081016001358884

□ナイロビFS
「マーケット」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/media.php?s=2008092206245026

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フィールド・ステーション「メディアギャラリ」
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【インドネシアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=55&page=1

【エチオピアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=35&page=1

【カメルーンFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=39&page=1

【カンボジアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=58&page=1

【タンザニアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=25&page=1

【ナイロビFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=22&page=1

【南アジアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=54&page=1

【南部アフリカ:ザンビアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=43&page=1

【南部アフリカ:ナミビアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=44&page=1

【西アジアFS】
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/mediagallery/album.php?aid=46&page=1

◆大学院教育(フィールド・ステーション)のページから
各FSの場所がGoogleマップで閲覧できます。
また、大学院生派遣者報告一覧も掲載されています。
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/staticpages/index.php/edu_ja


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■セミナー情報 12月/1月 のおもな地域研究関連研究会情報
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[2009-01-20] イニシアティブ4 研究会
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081121120500518

[2008-12-27] 第四回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081125161211940

[2008-12-15] 第14回G-COEパラダイム研究会
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081215

[2008-12-13] イニシアティブ4 研究会
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081121120029259

[2008-12-11] Changing 'Family' in Globalizing Southeast Asia: Cultures of Relatedness and Reproduction
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/en/article.php?story=200801211

[2008-12-06] Modern Egyptian Politics and Thoughts
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/en/article.php/20081119132752640

[2008-12-05] 第12回京都大学国際シンポジウム 変化する人種イメージ−表象から考える
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081205

[2008-12-04] GIS-IDEAS 2008,PNC,ECAI Joint International Symposium
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/en/article.php/20080616182829360

[2008-12-03] イニシアティブ1・4 研究会 (ワークショッ プ「地域研究と大学院教育の未来」)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081203_ini4

[2008-12-01] 第150回アフリカ地域研究会
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php?story=20081118154625269

◆カレンダーからセミナー情報が閲覧できます。
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/calendar/index.php

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◆編集子より◆いよいよ今年度のフィールドスクールが始まります。皮切りは
1月のベトナム、続いてエチオピア(2月)、ネパール(3月)の順に開催さ
れます。年度も押し迫っての事業ですが、多数の学生と教員が参加して充実し
た内容になることが期待されます。成果は、このメルマガでも順次お伝えして
いく予定です。ご期待ください(MS)
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◆このメールマガジンは、JSPS大学院教育改革支援プログラム「研究と実務
を架橋するフィールドスクール:社会に貢献するアジア・アフリカ地域専門
家の養成」実行委員会がASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援
室より発行しています。

◆感想やご質問をお気軽にお寄せください。掲載希望の記事や
研究会の案内なども受け付けています。
宛先:areainfom@areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp

◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm.html
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◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して
います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
フィールドワーク・インターンシップ支援室
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協力:
京都大学 GCOE プログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
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作成日: 2009年1月23日 | 作成者: 事務局
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