臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

第46号(2007年4月配信)「メルマガ写真館」

「水上集落」...................嶋村鉄也(特任助教)

スマトラ島リアウ州の東側には低湿地帯が拡がっています。沿岸部から100km以上離れた場所にまで、低湿地は拡がっており、標高は海抜10mもありません。そのため、マラッカ海峡の干満差の影響をうけ、川の水位が大きく変動します。大潮の日には河の水が逆流します。

この低湿地の主要河川であるカンパール河支流のクルムタン川上流には、ボバという水上集落があります。水位の変動に対応するため、筏の上に家が建てられています。上流に人は住んでおらず、水質は良好です。ここでは、雨期に魚が多くとれます。雨期は人が集まってきて漁労を行います。今は乾期なので、誰も住んでいません。

最近では、ここでとれる魚の量も減ってきているという話もチラホラ聞こえてきます。その明確な理由はわかりませんが、ここが一年中無人集落になってしまうときが来てしまうのでしょうか。そうならずに済むことを祈らずにはいられません。

作成日: 2007年4月27日 | 作成者: 事務局