アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第100回 「メルマガ写真館」

「森を造る」
...吉田祐貴(グローバル地域研究専攻)

 

ここはタイ東北部の森の中。かつて森には共産党の勢力が入り、ゲリラ活動を行なっていました。左側の男性は、18年間も森に入って生活していたそうです。共産党勢力の排除を兼ねた形で農地開拓や伐採が行われ、豊かな森林は次第に減少していきました。

 

写真の二人は、森を維持し、開拓地に果樹を植えて森を広げ、その中で野菜の栽培や森林資源の採集を行いながら生活してきました。森には彼らなりの思い入れがあり、歴史があるのです。

 

そうした森も次第にゴム林に変わっていき、『ゴム成金』と呼ばれる人まで出てきています。「後継者は森の価値を理解しているだろうか。」という会話には、世代を越えた森林保全の難しさを感じずにはいられません。