アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第104回 「メルマガ写真館」

「エボラを撃退する祈り」
...池邉 智基(アフリカ地域研究専攻)

 

国内の約9割がムスリムというセネガル共和国。その中で絶大な勢力を持つムリッド教団のトップ「カリフ・ジェネラル」から信徒たちへ、ある祈りが行われ、そのビラが配られました。そこには「エボラ出血熱を防ぐための祈りの句」と書かれていました。

 

2014年8月末、セネガルにエボラ出血熱感染者が出たことで一時騒然となりましたが、発見された1名の感染者は無事回復し、その後心配された二次感染者が出ることもなく、10月にはセネガルでのエボラ流行についてWHOの終息宣言が出されました。  

 

セネガル人に、世界が恐怖しているエボラについて話をしてみたところ、このような答えが返ってきました。
「セネガルにはエボラはなくなった。なぜなら、カリフが祈ったからだ」

 

奇跡か偶然かはさておき、カリフ・ジェネラルの祈りの後、エボラ出血熱はセネガルには来ていません。