アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第129回 「メルマガ写真館」

「カルカルクアン島」
...遅澤 泰(東南アジア地域研究専攻)

 

 カルカルクアン(Kalukalukuang)島は、インドネシアのマカッサル海峡に浮かぶ、人口2000人の島です。カルク(Kaluku)とはマカッサル語でココヤシを意味します。その名の通り、周りの小島に比べて、この島にはココヤシが多く生育しています。マカッサル市近郊ガレソン地区のトビコ(トビウオ魚卵)漁船は、海峡で1~2か月ほど漁に従事するあいだ、この島に寄港します。ココヤシの葉とタケを用いてバッラ・バッラと呼ばれる漁具を修理するとともに、食料や水を補給するのです。島では午後6~10時までしか電気が通らず、携帯電話の電波も届きません。しかし漁民や島民たちは、星空の下でコーヒーを飲みながら、漁のことや、遠方の恋人のことを語り明かすのです。