アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

 

第135回 「メルマガ写真館」

「年に一度の<奇祭>」
... 加藤千里(東南アジア地域研究専攻)

 

 「タイプーサム」はシンガポールのインド系の人にとって重要なお祭りの一つです。ヒンドゥー暦でタイ月のプーサムの日、2017年は2月8日から9日にかけて行われました。

 

 タイプーサムでは、大勢がインド人街にあるヴィシュヌ寺院から街中のムルガン寺院まで、約2.5kmの距離を歩いてミルクを運び奉納します。壺を頭に乗せて歩く人々の中、一際目立つのはカーヴァディと言われるアーチ状の金属の飾りを運ぶ男性達です。カーヴァディを背負う人は、顔・腹・背中…身体中に針を刺しトランス状態になっています。周りを一緒に歩くのはサポートする家族や友人達です。

 

 高層ビル群の間、行き交う車やバスの横を歩き、時には立ち止まって歌い踊る華やかな行列。行列や見物人が決められた幅からはみ出さないように設置された柵と監視する警備員。規制された都市の中の混沌、シンガポールらしさを感じられるお祭りでした。