アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

 

第148回 「メルマガ写真館」

「パキスタンのいい天気」
... 賀川 恵理香(グローバル地域研究専攻)

 

「今日はいい天気ですね!」という言葉から、あなたはどのような天候を想像しますか?多くの方は、カラッと晴れた雲一つない快晴をイメージするのではないでしょうか。しかし、夏場の最高気温が50度近くに達し、雨の少ないパキスタンでは、写真のような雨天こそいい天気(acchā mosam)であるとされます。最初のころは、雨天や曇天に対して「いい天気」という言葉を使うのに違和感を覚えましたが、しばらく現地に滞在してみると、なるほど雨の日は涼しくて過ごしやすいのです。フィールドワーク中に滞在していた大学の女子寮ではこの日も、二人の女性が寮の中庭で日向ぼっこならぬ雨浴びをしていました。彼女たちは歌って踊って、雨を思い切り楽しんでいました。さらにパキスタンにおける雨は、ロマンスの象徴としても描かれます。お隣の国インドのボリウッド映画で、恋人同士が雨に濡れながら踊るシーンを見かけたことがありませんか?そう、彼らにとって雨はとってもロマンチックなものなのです。このように自分の慣れ親しんだものとは異なる価値観を見聞きするたびに、なぜだろう?もっと知りたい!とワクワクする毎日です。