アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

 

第152回 「メルマガ写真館」

万里の長罠
... 魚住耕司(アフリカ地域研究専攻)

 

 カメルーン南部で森の奥の小屋にいた時、一緒にいた青年がどこかへ出かけ、ヘビを持って帰って来たことがありました。その時、彼は、「いくつかかかっていたけど腐ってしまい、大丈夫なのがこれぐらいだった。しばらく来てなかったから駄目になってしまった」と言っていました。森の奥や畑のそばには罠がたくさん仕掛けてあり、100メートルもの長さの罠の壁が築かれていることもあります(写真)。所々すき間の開いた壁を葉と枝で作り、すき間に曲げた枝と針金で罠を仕掛けておくと、横切ろうとした動物はそこに誘導され、体を入れたところを吊るし上げられます。罠は貴重な蛋白質をもたらし、同時に、農作物を食い荒らすハリネズミなどの動物を退治します。