「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
  ■■■ November 2011 第101号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1069】■■■

___________今月号の目次_________________

□「ビンロウジ」................................フィールド便り
□「葬儀でのかけひき」........................メルマガ写真館II
□お知らせ.....................ITP国際シンポジウム、各賞の受賞
□GCOE情報..............................大学院派遣報告など
□セミナー情報
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「ビンロウジ」
            ..........紺屋あかり(東南アジア地域研究専攻)


「パラオで一番恐ろしい事、それはこれだよ、あかり」とパラオ人
の友人が指差す先には飲みかけの缶ジュース。そして、その意味を
瞬時に悟った私。友人と目を合わせてにやり。もしかして経験者な
の?という私の問いかけに、「ああ、一度だけね」と遠い目の友人。

パラオでは国民のおよそ9割が愛好しているといわれる嗜好品、ビ
ンロウジ。上の会話はこのビンロウジにまつわる世間話の一端です。

ビンロウジとは、ヤシ科の植物ビンロウジュ(檳榔樹)のことで、
東南アジア地域やミクロネシアには、広くこのビンロウジの実を噛
む習慣があります。ビンロウジの実を半分に割ってその上に石灰の
粉をふり、キンマの葉をちぎってはさみ、それを口にほうりこんで
噛むものです。パラオではビンロウジに加えてタバコ、ショウガ、
レモンの皮をトッピングするなど多種多様。それらをしばらく噛み
続けると色々なものが混ざり合って、赤い唾液となります。口いっ
ぱいにたまった真っ赤な唾液は飲み込まずに吐き出さすわけなので
すが、その矛先が空になった缶ジュースだったりペットボトルとい
うわけなのです。つまり、パラオで最も恐ろしい事とは、自分の飲
みかけの缶ジュースに誰かが赤い唾液を吐き出し、それを知らずに
うっかり飲み込んでしまうことだと友人は私に訴えているのです。

たしかに友人が語るように、ビンロウジをとりまく悲劇は他人事で
はなく私にも起こりえる事です。少なくとも、調査中使用したノー
トやかばんには必ずと言ってよいほど赤い斑点が刻印されることに
なります。調査協力者が私の質問に興奮して熱く語る際などは要注
意、顔面に赤いしぶきが飛ばされるなんてこともしばしばです。

しかし、ビンロウジ愛好家のいないパラオなんて、なんだか物足り
ないと思うのも正直なところです。誰かがビンロウジを作り始める
のを封切りに、周りの人々も次々とビンロウジを噛み始める。それ
まで作業していた手を一端止めて皆が一斉にビンロウジ噛みに集中
する。そして皆が口元を真っ赤にして世間話に興じる。ビンロウジ
によって生み出されるこの時間こそ、パラオにおいて必須の経験な
のだと改めて思うのです。もはや、真っ赤な口元でニカッと笑う人
たち抜きのパラオの風景は想像できません。


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ご覧いただけます。
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「葬儀でのかけひき」
 .........紺屋あかり(東南アジア地域研究専攻)

人口およそ1万7千人のパラオで葬儀となれば、パラオ全土
のみならず、移住先のハワイやグアムなどからも人々が参集
し、・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2011_11.html

(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html

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お知らせ
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ITP国際シンポジウム

"New Horizon of the Interdisciplinary Approaches to Asian
and African Area Studies"

日 時:2011年12月2日(金)、12月3日(土)
場 所:京都大学東南アジア研究所 稲盛財団記念館 3F

ITPでは2007年のプログラム開始からこれまで、計67名の
学生を海外に派遣してきました。本シンポジウムでは、
ITP派遣学生自らが企画・立案したパネルセッションや、
口頭発表、ポスター発表が用意されています。

さらに「現地語教育法」に関する日本語パネルも準備して
います。

また、現地語語学研修の成果発信の一環として、派遣学生
が研修言語で話している様子を撮影したビデオの上映や写
真展も行いますので、皆様どうぞ奮ってご参加下さい。

https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/itp/symposium/

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□各賞の受賞
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卒業生 小川さやか氏 第33回「サントリー学芸賞」を受賞

http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/research/award.html

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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。

http://twitter.com/Africa_Kyoto_U

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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。

http://form.mag2.com/gianoubima

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■京都大学 G-COE プログラム
:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点HP掲載情報
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■大学院教育
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□GCOE大学院派遣報告(2011年度)

◆「タイ国における少数民族モン(Mon)をめぐる文化継承と
社会関係についての人類学的研究」
....和田理寛(ASAFAS 東南アジア地域研究専攻)

本研究はモンの伝統文化や社会について現代的変化を視野に
入れながら明らかにすることを目的とする。タイ国のモンは
法的にタイ国民として生きる中で近年急速に同化が・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/ 2011_fs_wada_j

>>大学院派遣者報告リスト(2011年度)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php /2011list

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■11月開催の研究会※研究会活動の記録掲載をすすめています。
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■パラダイム研究会
[2011-11-28]「成果の発信に向けて―第3巻と第5巻の研究成果より」
[第43回パラダイム研究会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111128


◇シンポジウム/研究活動の記録 一覧
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/staticpages/
index.php/gcoe_report_list#IC30


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 ■セミナー情報....12月のおもな地域研究関連の研究会情報
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[2011-12-01]International Workshop on Islamic Economics:
Challenges and Prospects in Islamic Finance
(国際集会・国際シンポジウム)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111201


[2011-12-02]"New Horizon of the Interdiciplinary Approaches
to the Asian and African Area Studies"[ITP国際シンポジウム]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111202


[2011-12-04]第5回G-COE国際シンポジウム2011「持続型生存基盤
研究の展開-アジア・アフリカからの発信」
(国際集会・国際シンポジウム)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111204


[2011-12-06]「2011年度 第5回CIAS談話会」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111206


[2011-12-15]「アフリカ映画が語るリアルなアフリカ」
[第184回アフリカ地域研究会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111215


[2011-12-16][東南アジア学会関西地区例会(12月16日)]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111216


[2011-12-17]"Plural Coexistence: East Asian Experiences in
Comparative and Interdisciplinary Perspectives"
[International Workshop]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20111117-18_ja


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◆編集子より◆

今週のフィールド便りと写真館は、パラオからでした。太平洋
の島国として知られていますが、アジア大陸の近くに位置して
おり、人々やその文化などに共通点もみられます。フィールド
便りで紹介されていた、ビンロウジは、アジアと太平洋の広い
範囲で見られます。ビンロウジと、コショウの1種の葉や実、
それに石灰を混ぜて噛みます。このやや複雑な知識は、どこか
を起源として、このような広い範囲に広がったと考えられるの
で、ここの暮らす人々のルーツが同じか、交流があったという
ことでしょう。また、ビンロウジは熱帯・亜熱帯にしか生えな
いので、東西に長いアジア太平洋地域の生態的特徴によって、
この範囲に普及できた訳でもあります。私もいま、南太平洋の
ソロモン諸島に向かう途上、パプアニューギニアで乗り換えの
飛行機を待ちながら、空港にはられた、「構内ビンロウジ噛み
禁止」の標識を見ています。ビンロウジの絵に×印がついたマー
クは、日本人がみても、なんのことだかわかりませんが、風習
がある地域の人は、一目で意味がわかることでしょう。(TF)
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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASフィールドワーク・インターン
シップ支援室より発行しています。

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
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協力:
京都大学 G-COEプログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
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