「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
 
■■■ September 2014 第135号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1164 】■■■■■■■

__________今月号の目次__________________

□「東南アジアの『エルサレム(Kudus)』」 ......フィールド便り
□「森を造る」 ...............................メルマガ写真館II
□お知らせ .......................................入試情報など
□アフリカ地域研究資料センター情報 .........研究会のご案内など
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「東南アジアの『エルサレム(Kudus)』」
     ..................山本直輝 (グローバル地域研究専攻)


インドネシアの中部ジャワ州の州都であるスマランの近くには
イスラエル・パレスチナにある聖なる都とは別の、もうひとつの
「エルサレム(al-Quds)」が存在します。クドゥス(Kudus)を
町の名に掲げ、アクサー・モスクという名のモスクさえあるこの町は、
世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアの中でも最も古い
時期にイスラームを受け入れた町の一つです。

インドネシアでは各地にイスラームを広めた9人の聖者(ワリ・ソンゴ)
の伝説が有名なのですが、クドゥスにはこの9人のうち2人の聖者廟が
置かれています。クドゥスのアクサー・モスクにはジャアファル・
サーディク、別名スナン・クドゥス(聖クドゥス)が眠っており、
現在でも多くの人が参詣に訪れ祈りを捧げています。

この町はスナン・クドゥスが彼の生涯で体現した「穏やかなイスラーム」
の重要性を固く信じています。彼はイスラームを難解な教条をもって
民衆に説くことはせず、当時民衆の間で楽しまれていた影絵を用いて
イスラームという宗教は何かを分かりやすく教えることに工夫を凝ら
しました。

また当時のクドゥスの住民のほとんどはヒンドゥーの教えに従っており
牛を食べなかったことから、彼らの慣習を尊重してスナン・クドゥスは
牛を食べなかったと伝えられています。この牛を食べない習慣は住民の
ほとんどがムスリム化した現在においても守られ続けており、住民は
クドゥスの歴史における「他宗教・他文化の尊重」のシンボルとして
誇りに思っているそうです。

アクサー・モスクで祈りを捧げていた住民は私にこう伝えてくれました。
「人に何か大切なことを伝えたい時、ただ押し付けるでは決して耳を
傾けてはもらえない。まずはスナン・クドゥスのように、他者を尊重し、
ゆっくりと、穏やかに。」

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ご覧いただけます。
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「森を造る」.........吉田祐貴(グローバル地域研究専攻)

ここはタイ東北部の森の中。かつて森には共産党の勢力が入り、
ゲリラ活動を行なっていました。左側の男性は・・・・

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(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
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■お知らせ
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□ASAFASアフリカ地域研究専攻 入試情報(2次募集 )
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アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻において、
平成27年度入学者の2次募集を行います。

◆試験日程:平成27年2月9日(月)、10日(火)

◆募集要項等詳細は、下記ウェブサイトにて、10月中旬に
公開予定です。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application


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□ ASAFAS附属 イスラーム地域研究センター 情報
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kias/
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◆「南アジアとイスラーム」シンポジウム
「英領インドにおける諸宗教運動の再編-コロニアリズムと近代化の諸相」

日時:2014年10月3日(金)14:00-18:00
場所: 京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階会議室(AA447)

詳細 >>
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20141003/


◆「前近代南アジアにおけるイスラームの諸相-在来社会との
 接触・交流・変容」


日時:2014年10月5日(日)13:00-17:30
場所: 京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階会議室(AA447)

詳細 >>
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20141005/


◆人間文化研究機構(NIHU)合同集会
「グローバル・イスラームの最前線-変貌の時代を読む-」

日時:2014年10月18日(土)14:30~17:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室

詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/events/3693


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□ ASAFAS附属 現代インド研究センター 情報
http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/
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 ◆人間文化研究機構(NIHU)公開講演会・シンポジウム
「グローバル・インドのいま ―経済発展と民主政治―」

日時:2014年11月2日(日)13:00~17:00(予定)
場所:京都大学百周年時計台記念館 大ホール
対象:一般の方、定員500名
※参加費無料、申込不要。当日先着順です。

詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/events/3684


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□臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/
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夏休みも終わりに近づき、フィールドワークを終えた院生がぞくぞくと
帰ってきます。フィールドのホットな情報が満載の報告書を随時アップ
していきますのでどうぞお楽しみに。


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■京都大学 アフリカ地域研究資料センター HP掲載情報
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□研究会のご案内
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◆アフリカセンター第205回地域研究会
「アフリカ熱帯農業と環境保全―カメルーン カカオ農民の生活とジレンマ」

日時:2014年10月16日 (木) 15:00~17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室
講師:
坂梨健太
(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科、日本学術振興会
特別研究員PD)

詳細 >>
http://www.africa.kyoto-u.ac.jp/

参加無料・事前申込不要

※この講演は、H25年度総長裁量経費(若手研究者に関る出版助成事業)
の助成を受けた、H25年度京都大学アフリカ研究出版助成記念講演として
行われます。


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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
  ・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U
http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示)


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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆

仁川アジア大会に合わせて同じ仁川で開催されたAsia Economic
Community Forumに参加してきました。「一つのアジアを共に作ろう」
がテーマでしたが、その名の通り、韓国はもちろんのことASEAN諸国
からも学生が参加し、活発な議論が行なわれました。日本や私が専
門とするインドでは暗い話題ばかりで気持ちが落ち込むことがしば
しばですが、アジア各国の学生の若い力に触れて、久しぶりに明る
い気持ちになりました。日本の研究者として国際交流をこれからど
のように進めていけばよいか、大いに学ぶところがあった国際会議
でした。(KN)

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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室より発行して
います。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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