エッセイ

インドの学生生活

「インドの学生生活」(京都大学新聞2017年6月1日号)
 

インドの実験

インドの変化は早い。諸々の現象が、猛スピードで、しかも同時に起こっている。20年前に旅行者として初めてインドに足を踏み入れて以来、留学等で通算5年間以上滞在する機会を頂き、一通りのことはわかったつもりになっていた。しかし、近年の変化の早さは、自分の理解していたインドを大きく変えたようにも思え、訪れるたびに、到着後数日間は目眩にも似た不安感を覚える。外国人である自分に、一体何がわかるのか。とはいえ、時間も予算も限られている。結局は自分のやれる範囲でやるしかないと言い聞かせ、不安に立ち向かうのが近年の習性となっている。…>>続きを読む

不可触民と民主主義

経済成長とともに大きな社会変容の只中にあるインドにおいて、「不可触民」の現在を包括的に捉えることは容易ではない。私は、これまでインドの最貧州の一つであり、インドのなかでもカースト制度の縛りがきついと言われるビハール州で長年調査を行ってきた。以下の話は、個人の限られた観察に基づいていることを予めお断りしておきたい。…>>続きを読む