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       Society for Nature and Agriculture in Southeast Asia


 本研究会は、アジアの自然環境や人々の暮らしについて、学際的に意見交換する、
自由参加のオープンな会です。
 研究会終了後には、懇親会も予定していますので、お気軽にご参加ください。

お知らせ次回のご案内

  • 話題提供者 
   藤岡 義三 氏(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 増養殖研究所)

  • 日時
   2017年2月7日(火) 16:00-18:00

  • 場所
   京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
   総合研究2号館4階大会議室(AA447)

  • 題目
  タイ国河川域および沿岸域で見られる小規模漁業と養殖業


  • 要旨
 東南アジアは世界屈指の漁業生産地帯である。年間漁業生産量は1,600万トン余りで全世界の約2割を占め、沿岸部や河川周辺の地域住民はタンパク源のほとんどを水産物に依存している。1980年代になってエビ養殖技術が急速に普及し、マングローブを伐採した集約的エビ養殖池の建設が相次ぎ、これにともなって水質汚濁、塩害、病気の蔓延などの生態系の攪乱が進行するなど様々な社会問題が顕在化した。一方で水産物や木材などの生態資源は減少傾向を示し、1975年に3,100m2あったタイのマングローブ林の面積は20数年の間に1,600m2まで半減し、漁獲技術が向上しているにもかかわらず捕獲漁業の漁獲量は減少傾向を辿っている。
機械化された近代的な漁業が発展・普及する一方、河川域や沿岸域においては依然として伝統的な漁具・漁法を用いた地域住民による小規模な漁業が続けられている。本講演では、近年、森林総合研究所、京都大学、チュラロンコン大学、カセサート大学らと共同で行ってきた現地調査に基づいて、地域住民と密接に関わり合った伝統的な小規模漁業や養殖業について話題提供したい。
 内水面漁業の事例として、タイ東北部ヤソートン県カムクワンゲオ郡ナーケー村を中心に、メコン川支流のひとつであるラムセバイ川周辺で見られる62種類にのぼる漁具・業法について概観し、とくに河川流路を利用した定置網漁(ルアン・ローブ)など、地域住民の生活に密着した特色ある小規模漁業の実態を明らかにする。一方、沿岸漁業の事例として、タイ南部ラノーン県アンダマン海沿岸のカンプーアン地区のマングローブ林周辺で見られる様々な漁具・漁法を用いた小規模漁業を紹介するとともに、土地利用の変遷や養殖施設の建設経緯などについて明らかにする。さらに、タイ中部サムソンクラム県において実施した集約的エビ養殖の実証実験を交えて、養殖業の展望について考えたい。



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