玉田芳史研究室

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科    


Essay

フィールドワークの話

典型的なフィールドワークのイメージは、調査の現場に出かけて観察し、関係者にインタビューを繰り返すというものだろう。私は1983年以後何度もタイへ出かけているものの、そうした調査をしたことがない。私がタイでやってきた作業は次の通りである。

  1. 図書館や公文書館で関連資料を読んだり、コピーしたりする。
  2. 大学へ出かけて研究者と話をしたり、セミナーに出席したりする。もっぱら知り合いのいる役所を訪ねて、主に世間話や雑談をする。大学でも役所でも話が弾めばビールを飲みながら延長戦をする。
  3. 書店を回って、書籍を買い集める。以上は大半が首都での作業である。
  4. 知り合いを訪ねて地方へ出向くこともあり、そんなときにはなるべく土地勘のある友人の案内で周辺地域を眺めて回るようにしている。

つまり、私にとっては活字が最大の情報源であり、それを補うのが雑談混じりの会話ということになる。

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