South Asia and Indian Ocean Studies Seminar

第1回研究会

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第1回

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日時: 2009年10月15日(木)15:00-17:30
講演者1: 中溝和弥
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科現代インド研究センター 特任准教授
講演タイトル:
「暴力の配当―インド・ビハール州における政治変動とアイデンティティの政治―」
要旨: 現代のインドが、大連立の時代を迎えて久しい。独立の威光を担ったインド国民会議派による一党優位支配は過去のものとなり、単独で優位を保つ政党が存在しない競合的多党制と称される政党システムが成立した。 その変化と相前後してカースト・宗教アイデンティティの政治的表現も頻発し、インド各地、とりわけウッタル・プラデーシュ州とビハール州では、上位カーストと後進カーストの対立を主軸とするカースト暴動、ヒンドゥー教とイスラム教の対立を主軸とする宗教暴動が繰り返し発生した。 なぜ、このような政治変動が起こったのか。政治変動と暴動はどのような関係に立つのか。
本発表においては、インド政治におけるカースト・宗教両アイデンティティそれぞれの相違に由来する暴動と、その暴動の終結過程に注目し、インド全国政治の動向とビハール州の事例研究を組み合わせて論じることによって、インド政党政治の変容を捉えることとしたい。

講演者2:
山田協太
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科南アジア・インド洋世界論講座 助教
講演タイトル:
「南アジアにおけるオランダの植民都市建設とその現代的影響」
要旨:
本研究は、現代都市の起源に対する関心から、16世紀末から17世紀にかけて草創期の資本主義の地理的拡張を主導したオランダに着目する。南アジアは海外における主要な活動の舞台であり、植民都市はその活動の拠点であった。
はじめに、本国で生じた都市建設をめぐる革新と植民都市建設活動を概括し、続いて、南アジアの中核都市コロンボ(スリランカ)を中心として空間構成と都市型住居の特質と、その現代に至る変容を論じる。