<< フィールドからの絵葉書:アフリカ地域研究専攻

アフリカ地域研究専攻
加藤 正彦



     





To: The Readers of ASAFAS Home Page, JAPAN





From: 加藤正彦 (アフリカ地域研究専攻)

 2002年1月、タンザニア南西部ムビンガ県での話です。

 ここは、タンザニアの内陸でも、ニアサ湖に近いせいでしょうか、雨季にはよく雨が降ります。とくに、1月は「降れば、どしゃぶり」の日が珍しくありません。写真の水路を流れている褐色の水も、前日に降った豪雨によるものです。

 私は、ASAFASの掛谷先生が中心になってやっているJICAプロジェクトに参加しています。そのなかの活動のひとつに、村人とつくるハイドロミルがあります。上流から一部の水を傾斜のゆるい水路に引いて、もとの川と落差ができたところで落とし、タービンを回して、その動力でトウモロコシなどの穀物を粉にするのです。山がちで雨のよく降る当地の条件をうまく利用したものです。昨年、村人は全長400メートルの水路をあっという間に掘ってしまいました。彼らも、やるときはやります。

 ところが、この建設作業、雨季前に技術者のゴッドフリー氏(写真の白Tシャツのおじさん)が行方をくらましたことから、しばらく頓挫してしまうことになりました。雨季に入り、せっかく掘った溝が強雨で崩れるなか、私は村人から「どうなってるんだ」と突き上げをくらう一方で、プロジェクトのチームリーダー角田さん(写真左上に頭が見える)からは、長距離電話で「体を張って斜面を守れ」と強く励まされました。私の受け入れ機関であるソコイネ農業大学地域開発センターの所長マテー先生も、かなり心配していました。結局、この技術者は身内の不幸で故郷に帰省していたことがわかり、1月下旬には工事現場に戻ってきました。ああ、ひと安心。

 こんな感じで、村人とプロジェクト関係者、みんな頑張ってやってます。

 これから、ほかのプロジェクト関係者からも、活動の進捗状況の報告があると思います。ご期待ください。