山﨑 暁

山﨑 暁(イスラーム世界論講座 2015年度入学)

私はトルコ南東部に暮らすアラウィー派の人々について、とくに現地社会における重層的な集団範疇(地域、民族、宗派など)と、信仰に関する秘密主義の実践に焦点を当てて研究しています。私は進学以前、学部では文化人類学を中心に学んでおり、大学院ではフィールドワークを中心にトルコのアラウィー派について研究をしたいという希望を持っていました。

ASAFASのグローバル専攻イスラーム世界論講座を志望した理由としては、私が研究対象としている人々にとっての社会的現実が、現代トルコのマイノリティ集団であるという側面だけではなく、アラビア語を母語とするアラブ人でもあり、シリアやレバノンに宗教的起源や歴史を共有する人々を持つ宗派でもあるといった重層的な文脈のなかで捉えていくべきものであるという問題意識を持っていたために、国家という単位を相対化し、広い「地域」の視座を大切にする地域研究のあり方に魅力を感じたということが一番にあります。また、扱う時代や方法(文献中心かフィールド調査中心かなど)を問わず、基礎的なディシプリンとしてイスラーム学の基本を身に付けることなど、研究教育の内容が明確だったことも、考慮した判断材料のひとつです。

入学以降この一年間は、現地語文献も含めた先行研究のレビューや資料の読解をつうじて研究の焦点や目的を絞っていく作業を行うと同時に、現地調査を行うにしても文献を読み解くにしてもまず基礎となる語学力の向上に努めています。ASAFASで研究生活を送るなかで、一学期間に数回、研究の進捗状況をアウトプットできる場である「グローバル地域研究演習」(通称、水曜ゼミ)は、入学以前から伺っていたように、専攻の特色であると感じました。学問的背景や対象地域も異なる学生や先生方が集まっているため、説明や概念の意味の明確さには常に意識的になることが求められますし、南アジアや中央アジアなど異なる地域の話を聞いていて、自分の対象地域やテーマとの意外な類似性や関係に気づくことがあります。また、アウトプットという面では、他大学との合同ワークショップで英語で研究発表をする機会がありました。日本語の場合と比べやはり準備にはかなり時間もかかるのですが、一年時という早い段階からこうした経験をすることで、いかに発信していくかということも考えつつ自分の研究を進める意識が強くなりました。

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