アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第36回 「メルマガ写真館」

「女たちの菜園」...神代ちひろ(アフリカ地域研究専攻)

 

私の調査地は西アフリカの内陸部、サハラ砂漠の南端に位置するブルキナ・ファソという国です。調査地パサコンゴ村で迎えた初めての朝、ホームステイ先のお母さんが一緒に連れて行ってくれた場所は菜園でした。活気ある雰囲気の中、女性たちがおしゃべりをしながらいきいきと自分の土地で作業をしている様子が印象的でした。

 

高齢者以外は、村のほとんどの女性が菜園で野菜栽培をしています。栽培した野菜は自分の家で消費するだけでなく、市場で販売すると現金収入を得る手段にもなります。男性は基本的に菜園では働かず、女性がこのように得た現金は女性自身が自由に使い道を決めることができます。菜園は、女性の生活にとって情報交換の場であり、女性の経済的自立をサポートする働きをもっているのです。

 

ホームステイ先の14歳、16歳の娘たち(写真中央2人)は、学校がない朝と、毎夕に菜園を手伝っていました。菜園での主な作業は水遣りです。毎朝毎夕行います。自分たちのちからで井戸からバケツを引き上げ、大きなたらいに水をいっぱいに溜め、それを2人がかりで持ち上げて頭の上にのせて運びます。またはいっぱいまで水が入ったバケツを両手に持って運び、ひょうたんで作ったおわん型の容器を使って少しずつ水を遣ります。ちょっと手伝っただけで激しい筋肉痛に襲われた私とは違い、引き締まった彼女たちの腹筋は、きれいに6つに割れていました。

 

アジア・アフリカ地域研究マガジン第71号(2009年5月配信)