【イスラーム経済研究の世界的拠点をめざして】
 「イスラーム経済」という言葉は、以前と比べて、日本の学界でもそれほど違和感なく使われるようになってきています。それは、イスラーム金融やハラール食品といったイスラーム経済の実践が急速に成長・拡大してきており、それらに対する関心・注目が高まっているからです。
 しかし、イスラーム経済研究はまだ発展途上だと言わざるを得ません。それは、国内に限ったことではなく、国際的な研究潮流においても、実践の現状やその重要性と比べて、研究が十分に行われているとはいえない状況にあると言えます。このことは、裏を返せば、イスラーム経済研究は、今後大きく発展する余地のある研究分野であるばかりか、日本がこの分野をリードする潜在的可能性があるということを意味しています。
 KIAS第3班では、イスラーム経済研究の世界的拠点になるべく、海外の大学・研究機関(下記参照)と密接な交流をしながらイスラーム経済研究を推進しています。イスラーム世界の動態やイスラーム経済の実態に興味のある多くの皆さんがこのプロジェクトに参画し、ともにイスラーム経済研究を大きく発展させていきたいと思っています。

【進行中の研究プロジェクト】
・独立行政法人日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B、課題番号20H04421)「イスラーム金融の新実践における初期規範理論の復権と発展的再構築」2020~2024年度.
・文部科学省科学研究費補助金(学術変革領域研究(A)計画研究、課題番号20H05824)「イスラーム経済のモビリティと普遍性」2020~2024年度.

【第3班と研究提携している海外大学・研究機関】
◆英国
 ・ダラム大学
◆フランス
 ・社会科学高等研究院(EHESS)
◆サウディアラビア
 ・イスラーム開発銀行附属イスラーム研究教育インスティチュート
 ・キング・アブドゥルアズィーズ大学イスラーム経済研究所
◆トルコ
 ・サバーハッティン・ザイム大学
◆マレーシア
 ・マレーシア国民大学
◆インドネシア
 ・マラン州立工科大学

  • イスラーム経済研究班責任者
    • 長岡 慎介(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 教授)
  • イスラーム経済研究班研究分担者
    • 森 伸生(拓殖大学海外事情研究所 教授、同大イスラーム研究所 所長)
    • 安田 慎(高崎経済大学地域政策学部 准教授)
    • 吉田 悦章(同志社大学大学院 ビジネス研究科 教授)
    • メフメット・アシュタイ(英国ダラム大学ビジネススクール 教授)
    • ムハンマド・ハキミ(マレーシア国民大学経済学部 准教授)