臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

■■■■■■■■■■■■■■■■■■ May 2007 第47号 ■■■■■
  アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
  Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
  http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数975】■■

このメールマガジンは、「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
のもとで実施中の「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」
プログラムにより発行されています。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/index.html

___________今月号の目次______________

□「農作業に没頭する有機農民たち」..............フィールド便り
□「コーヒーの潤い」............................メルマガ写真館
□院生のインターンシップ実施報告
..............インドネシア、エジプト、ブルキナファソ、ザンビア
□編集子より
_______________________________

■フィールド便り・第2便

「農作業に没頭する有機農民たち
―南インド・ケーララ州ワヤナッド県の農村から」
       ............秋山晶子(東南アジア地域研究専攻)

「今は農業が楽しくて仕方ない。」「子どもにも、ぜひ農業
を継がせたい。」

これは、私の調査地である南インド、ケーララ州の有機農業
実践者の口からこぼれた言葉です。ここ、ケーララ州の東北
部にあるワヤナッド県では、有機農業への転換者が急増して
います。

州政府や農民自助グループ、NGOなど協力し、小農民に国際
的な有機食品の認証を取得することを支援しているのです。
そのねらいは、地域の特産物を国際オーガニック市場へ進出
させ、所得の向上です。しかし最初の動機はなんであれ、有
機農業をはじめてから農民の多くに変化が起こりつつあります。

雨期のタイミングと、土や葉の状態を丁寧に観察し、肥料、
水遣り、雑草管理の時期や方法を選んでいきます。農薬まか
せにできなくなったことから、身の回りにあるものや情報を
うまく組み合わせていかねばなりません。そういった農場の
動植物との創造的なかかわりに喜びを感じ、「私は、有機
農民(JaivaKurushi)だ。」と胸を張る農民もいます。

また、国際農産物市場は、投機的傾向が強まり、ますます競
争が激しくなってきています。そのような中で弱者となりや
すい農民を守る助成制度、流通のネットワークなども、ケー
ララ州では形成しつつあります。

これらの防波堤があってのみ、予測しにくい自然環境との関
係を深める、より豊かな農業が成立するように思われます。
日本においても昨年12月に有機農業推進法が立法されまし
た。これは、地方行政が有機農業の普及に努めていくことが
推奨する法律ですが、まだ具体的な中身はありません。ケー
ララ州の農村で、農作業を楽しんでいる農民と農民を支える
仕組みは、農業を取り巻く環境が大きく異なる日本の農業に
とっても教えてもらえることが多いように思えてならないの
です。

__________________________
このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから読
むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html
=========================================
■メルマガ写真館......フィールドでの写真からはじまるコラム
=========================================
「コーヒーの潤い」 ........伊藤義将(アフリカ地域研究専攻)

エチオピア南西部の高地森林域にはコーヒーノキ(Coffea
arabica.L)が自生する広大な森が広がる・・・・・・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/2007_5.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/bn.html
=========================================
■院生のインターンシップ実施報告...PDFファイルで掲載しています
=========================================
■院生のインターンシップ実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_is_2006.html

□小泉都
“Ethnobotany of the Penan Benalui of East Kalimantan, Indonesia”
【派遣先国】インドネシア共和国
【派遣先機関】CIFOR(国際林業研究センター)

私は報告書の標題にあるテーマで博士課程の研究をすすめてきた。しか
し、調査の過程で調査対象の元狩猟採集民の人々が抱える問題に気づい
た。かれらは森林とその利用について豊かな知識をもっているが、伝統
的な価値観や行動様式は現代的な・・・(続きは下記リンクから)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/koizumi_1.pdf

□竹田敏之
「現代アラブ世界の形成とアラビア語アカデミーの役割」
【派遣先国】エジプト、シリア、ヨルダン
【派遣先機関】アラビア語アカデミー

博士論文において派遣者は、20世紀から現代にかけてのアラビア語
文法改革の分析を中心に、現代標準アラビア語の成立と現代アラブ世
界の形成の解明に取り組んでいる。文部省や改革主義者によって実際
に行われてきた文法改革を分析する際・・・・(続きは下記リンクから)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/takeda_1.pdf

□石本雄大
「サヘル地域における援助団体による自然災害後の支援事業の
地域住民への影響」
【派遣先国】ブルキナファソ
【派遣先機関】Ope'ration Oasis Sahe'lienne

サヘル地域では6月から9月頃までの雨季中の降水量は150?
500mm程度と極めて少ない。降雨は不安定で、降水量・降雨パタ
ーンは年ごとに大きく変動する。また、砂漠バッタの大量発生も時
に起きる。したがって、食料生産は不安定で、自然災害時には生産
量が著しく低下する・・・・(続きは下記リンクから)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/ishimoto_1.pdf

□村尾るみこ
「難民受け入れ地域における資源の利用と管理に関する研究」
【派遣先国】ザンビア共和国
【派遣先機関】内務省 ザンビア・イニシアティブ・プロジェクト

難民の庇護国における食料の安全保障を考えるとき、食料生産の
技術的側面だけでなく、地域社会の政治・社会的背景を反映する
土地資源の利用についても、歴史的視点をふまえつつ考慮する必
要がある・・・・(続きは下記リンクから)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/murao_1.pdf

__________________________________

◆編集子より◆新年度も2ヶ月を過ぎました。現在、7名の院生
が本プログラムのフィールドワーク・インターンシップ派遣によ
り渡航中です。今月号から、院生のフィールドワーク・インター
ンシップ報告書をHPにアップしていくこととなりました。今後
ともメルマガ・HPを充実させて行くつもりですので、引き続きご
愛顧をよろしくお願いいたします。(S)
__________________________________

◆このメールマガジンへの感想やご質問をお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。

宛先:areainfom@areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp

◆このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから読む
ことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html
__________________________________

◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して
います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集:「魅力ある大学院教育」事務局
発行:「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
   「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」プログラム
    http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
作成日: 2007年7月9日 | 作成者: 事務局
メルマガバックナンバー
>> 魅力: 最新号-
>> 21COE:
No.1 - No.45

 

メルマガ写真館
バックナンバー
>> 魅力:
第14回(4月)〜

>> 21COE:
Vo.1 - Vo.13
s