臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

■■■■■■■■■■■■■■■ November 2007 第53号 ■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数986】■■
このメールマガジンは、「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
のもとで実施中の「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」
プログラムにより発行されています。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/index.html

___________今月号の目次_________________

□「二つのフィールド」...............................フィールド便り
□「広がるバナナの病気」.............................メルマガ写真館
□お知らせ.......................................
....「フィールドワーク・インターンシップによる臨地教育研究成果報告会」
□院生のインターンシップ実施報告...........................ウガンダ
□院生の問題発見型フィールドワーク実施報告...............エチオピア
□国際学会発表報告.............................ノルウェー、ウガンダ
□編集子より
__________________________________

■フィールド便り・第8便

「二つのフィールド」............日向伸介(東南アジア地域研究専攻)

「フィールド」を狭い意味でとらえると、私の場合はバンコクの図書
館や公文書館になります。外は熱帯の日差しに溢れていますが、私は
薄暗い室内で一人寂しく資料を探したり読んだりするわけです。大体
どこも冷房が効きすぎなので、長袖の服は必需品です。うっかり忘れ
ると、その日の調査は予想以上に厳しいものとなります。厳しいとい
えば、コピーセンターもあなどれません。大きな図書館内や街なかに
あるコピーセンターは、安く・早く・割と確実に資料のコピーを請負っ
てくれる便利な場所です。しかし、タイ語を間違えようものなら、受
付のお姉さんに睨まれ、体裁の微妙なコピーが出来上がってきます。

「フィールド」を広い意味でとらえると、会話をする機会のある全て
の人ということになります。「タイ人であること」や「王様の存在」
をタイの人たちがどう認識しているのか、いないのか、度を過ぎない
ように、誰彼なしに尋ねてみます。そうすると、決して少なくないタ
イ人の、「タイ人」たる誇りを支えるものの一つが、「王様」である
ことが見えてきます。比較するのも何ですが、「天皇」を擁護すると、
すぐに危険人物と見なされることの多い社会とは全く違います。

簡単にいうと、「タイ人」というカテゴリーが歴史的にどのように出
来上がり、どんな価値が与えられてきたのか、というのが私の研究テ
ーマです。そして、この研究テーマを設定する根拠となっているのが、
そもそも、広い意味のフィールドから生まれた問題意識です。二つの
「フィールド」をバランスよく往復しながら、自分なりの地域研究が
できたらなあ、と思っています。
______________________________

このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから読
むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html

=========================================================
■メルマガ写真館......フィールドでの写真からはじまるコラム
=========================================================
「広がるバナナの病気」
....................佐藤靖明(アフリカ地域研究専攻)

2000年頃から、東アフリカ内陸部でバナナの病気(Xanthomonas
 Bacteria Wilt)が急速に広がっています。写真は、ルワンダ
北西部の町ギセニ近郊で、病気に感染したバナナを埋めるため
に穴を掘っているところです・・・・・・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/2007_11.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/bn.html
=========================================================
■お知らせ
=========================================================
魅力ある大学院教育イニシアティブ・プログラム
「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」
フィールドワーク・インターンシップによる臨地教育研究成果報告会

日時:12月15日(土) 13:30〜17:30
場所:京都大学吉田キャンパス工学部4階会議室(AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/reports/seminar_20071215.html

=========================================================
■院生のインターンシップ実施報告...PDFファイルで掲載しています
=========================================================
■インターンシップ実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_is_2006.html

□佐藤靖明
「東アフリカ大湖地方におけるバナナの品種多様性に関する人類学的
研究―Bioversity Internationalでのインターンシップ活動―(1)」
【派遣先国】ウガンダ

ウガンダ政府の研究機関やBIの研究者と研究動向を交換し、いくつか
の知見を得た。その中で、ウガンダのバナナ研究では、「住民参加型」
の方式を組み込むことがすでに主流となっており、どのように住民と
協働していくかが議論のひとつの焦点になり・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/sato_1.pdf

□佐藤靖明
「東アフリカ大湖地方におけるバナナの品種多様性に関する人類学的
研究 ―Bioversity Internationalでのインターンシップ活動―(2)」
【派遣先国】ウガンダ

一つめは、国際的なバナナ研究ネットワークの広がりと濃密さを目の
当たりにしたことである。アフリカや欧米の各国から研究者が絶え間
なく事務所に訪れるとともに、BI主催のワークショップや会合が東ア
フリカ各国で毎週のように・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/sato_2.pdf

=========================================================
■院生の問題発見型フィールドワーク実施報告...PDFファイルで掲載しています
=========================================================
■問題発見型フィールドワーク実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_fw_2006.html

□宮田寛章
「エチオピア西南部における庭畑の利用に関する研究」
【派遣先国】エチオピア連邦民主共和国

フィールドワークはエチオピア西南部のオモ系農耕民であるアリの居
住域において行った。庭畑はアリ語でティカ・ハーミ(ティカ=エン
セーテ、ハーミ=畑)、その外側に位置する穀類・豆類畑はウォニ・
ハーミ(ウォニ=農業に関する一定の重度のある労働)・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/miyata_1.pdf

=========================================================
■国際学会発表報告...PDFファイルで掲載しています
=========================================================
■国際学会発表報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_kokusai.html

□宮田寛章
"Use, management, and roles of homegardens: The case of the
Ari in southwestern Ethiopia"
【派遣国/国際学会名】ノルウェー/国際エチオピア学会

発表前後に、様々な研究分野の人々から派遣者の研究に関する質問や
コメントを受けた。それらの多くは社会的及び文化的文脈のなかでの
庭畑の位置付けに関するものであった。また庭畑の歴史的な形成過程
どのような、派遣者が意識していなかった興味深い視点も・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/k_miyata_1.pdf

□佐川徹
"Indigenous practices for peace among ‘violent’ pastoralists
in East Africa"
【派遣国/国際学会名】ウガンダ/
国際シンポジウム"Re-Contextualizing Self/Other Issues"

シンポジウムのようすは、翌日の地元誌に掲載されていた。わたしの
発表した内容の一部も新聞に掲載されていたが、それはわたしが意図
した内容とはおおきく異なった観点からの取り上げられかたであった。
牧畜民の紛争は・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/k_sagawa_1.pdf

__________________________________

◆編集子より◆本プログラムも残すところ4ヶ月です。12月15日には、
これまでインターンシップ・フィールドワーク支援プログラムにより派遣
された大学院生の報告会を実施いたします。場所は京都大学吉田キャンパ
ス工学部4号館4階会議室(AA447)で、時間は13:30〜17:30です。
また、来年2月8日には京都大学時計台国際交流ホールにて、国際機関な
どで活躍している方々をよんで、「実践」についてお話をしていただく予
定です。皆様のご参加をお待ちしております。(S)
__________________________________

◆このメールマガジンへの感想やご質問をお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:areainfom@areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp

◆このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから読む
ことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html
__________________________________

◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して
います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集:「魅力ある大学院教育」事務局
発行:「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」プログラム
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

作成日: 2008年2月25日 | 作成者: 事務局
メルマガバックナンバー
>> 魅力: 最新号-
>> 21COE:
No.1 - No.45

 

メルマガ写真館
バックナンバー
>> 魅力:
第14回(4月)〜

>> 21COE:
Vo.1 - Vo.13
s