臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

第56号(2008年2月配信)「メルマガ写真館」

「日々是革命」..........平野淳一(東南アジア地域研究専攻)

写真は、イランの首都テヘランにて撮ったもので、イスラーム革命を標榜する看板です。1979年にイランでイスラーム革命が勃発したことは、良い意味でも悪い意味でも世界を震撼させました。読者の中には記憶に新しい方もいらっしゃることと思います。

今日のイランには、依然としてイスラーム革命の余韻が強く残っています。街行く紳士淑女はみな、崇高なるイスラームの教えを掲げて日々の生活を営んでおり、男性はイスラームを冒涜する外敵との戦いに備え、女性は家庭を守り外に繰り出すときには黒いヘジャーブで体を覆うことを忘れません。

そのことを如実に象徴しているのが、この看板です。一番右にいる黒いターバンに白い顎鬚を蓄えている人物は、イラン・イスラーム革命を率いた精神的指導者ホメイニー師です。その彼が手をかざす先には、銃を手に取る若者と、現在のイラン・イスラーム共和国最高指導者ハーメネイー師の顔が大きくあります。そして、この3者の背後には、イランの国旗が力強くはためいています。

イランのイスラーム革命は、決して過ぎ去った昔日の事件ではなく、日々イランの人々によって実践されている、現在進行形の終わりなき永久革命なのです。

 

作成日: 2008年2月25日 | 作成者: 事務局