アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第71回 「メルマガ写真館」

「崖の上でサッカー」
...前川護之(アフリカ地域研究専攻)

 

スポーツ広場は世界のどこの村にもあるようです。この写真は南アフリカの小さな村のもの。村自体が海沿いの崖の上にあって、広場ではいつも子供達が、そしてたまにおじさん達もボールを蹴って遊んでいます。ボールが海に落ちてしまいそうですが、こう見えて海までは結構距離があります。村に住むのはバンツー系のコサの人たち。多様なエスニックグループが暮らす南アフリカでは、グループごとに人気のスポーツも分かれています。バンツー系の人たちにはやはりサッカーが人気。

 

昨年ラグビーワールドカップが開かれました。南アフリカ代表はほとんどがヨーロッパ系の選手。それにヨーロッパ系とアフリカ系の混血であるカラードの選手がちらほら。バンツー系の選手は私が見たところ一人しかいませんでした。そんなことには関係なく、村の人たちは毎試合熱心に自国のチームを応援していました。でもやっぱりバンツー系の選手がボールを持つと盛り上がります。ただこの選手、ジンバブエ人なのですけどね。ラグビーは外国籍者であってもその国で3年以上プレーすれば代表選手になれるのです。

 

この国のスポーツはサッカーとラグビーだけではありません。夏に訪れたときには、写真の広場で子供達がクリケットをして遊んでいました。バンツー系の人たちはサッカーしかしないという勝手なイメージを持っていたのでとても驚きました。

 

私はスポーツが好きなので、この国で調査するときはいつもわくわくしています。