アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第120回 「メルマガ写真館」

「タイのバラマンディ釣り」
...古元幹也(東南アジア地域研究専攻)

 

バラマンディという魚は、タイ沿岸の汽水域に生息し、最大で全長1.3m、体重40㎏になる大型肉食魚です。エビ養殖池を転用してバラマンディを食用に養殖し、そこで副業がてら釣り堀を営む所が近年増えています。

 

写真は、ミノーというルアーで釣り上げた70㎝、7㎏ほどのバラマンディです。7フィート2インチ(約2.2m)の硬めのバスロッドにベイトリールをセットし、糸は高密度ポリエチレン素材の4号、その先にはリーダーとして強度50lbのナイロン糸1mを使用しました。バラマンディはやすりのような歯をもっているため、50lb程度の強度がないと、すぐに糸がちぎれます。また、しっかり竿を立てて魚の頭を自分に向けないと、速い泳ぎで糸を切られてしまいます。

 

コイやナマズにはない怪力や眩しく輝く銀鱗の魚体、透き通った琥珀色の瞳は、タイで釣った魚の中で最も印象的でした。実は日本にも、高知県の四万十川と宮崎県の仁淀川にだけ、バラマンディにごく近縁なアカメという種が生息しており、そちらは幻の魚と呼ばれるほど釣るのが難しい魚なのです。個体数が少なく、絶滅危惧種にも指定されています。

 

釣り堀で入れ食い状態のバラマンディを釣りながら、いつかは私も大きなアカメを釣ってみたいという夢が広がるのでした。