アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

 

第154回 「メルマガ写真館」

雨過天晴―アートがつなぐ多彩な思い―
... 中江優花(グローバル地域研究専攻)

 

 インド南西部に位置するケーララ州。現地語で「ココヤシの土地」を意味する通り、ケーララには至る所にココヤシの木があり、南国リゾートを思わせる雰囲気が漂っています。皆さんのインドのイメージとはかけ離れた「楽園」が、ここには広がっています。
 そんなケーララでは、現在、アジア最大級と呼ばれる国際的な芸術祭典コチ=ムジリス・ビエンナーレ2018(Kochi-Muziris Biennale 2018)が開かれており、世界中からユニークな作品が集結しています。写真はその一つで、南アフリカ共和国出身の芸術家ス-・ウィルアムソンさんの『119枚の売買証書(One Hundred and Nineteen Deeds of Sale)』という作品です。
 特に今年の芸術祭典はケーララの人々にとって特別。ケーララは2018年8月、記録的な豪雨とダムの放流による歴史的な大洪水を経験し、まだその傷跡が残る中での開催となりました。人々はこの芸術祭典を復興のシンボルと位置づけ、アートを通してケーララの魅力と苦い経験を世界に訴えています。
 一度「地獄」に墜ちた「楽園」ケーララ。でも着実に這い上がろうとするケーララ。次回2年後の芸術祭典では、どのような色彩を見せてくれるのでしょうか。