臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

第47号(2007年5月配信)「メルマガ写真館」

「コーヒーの潤い」...................伊藤義将(アフリカ地域研究専攻)

エチオピア南西部の高地森林域にはコーヒーノキ(Coffea arabica.L)が自生する広大な森が広がる。
コーヒーの実が赤くなり始める10月の終わりごろから人びとは2〜300km以上も離れた土地からコーヒーを採集するためにこの森に集まってくる。

人びとは一シーズンに80kg前後のコーヒー豆を採集し、1kgにつき7birr(約14円)程度で売却する。コーヒーから得られた収入で洋服や靴などの工業製品や、牛、羊などを購入し、お土産をたくさん抱えて家路につく。
コーヒーの採集シーズンが終わりに近づいた町の市場は毎年大変な賑わいである。

写真の少年は13歳。「コーヒーをたくさん摘んで、来年からは学校に行く!」と意気込む。

コーヒーは人びとの喉だけではなく、彼らの生活、そして未来も潤しているのかもしれない。


作成日: 2007年5月25日 | 作成者: 事務局