臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

第65号(2008年11月配信)「メルマガ写真館」

「電気インジェラ調理器」... 金子守恵(アフリカ地域研究専攻)

エチオピアには、在来の技術と近代的な技術がむすびついた日常生活に欠かせないモノがたくさんあります。そのひとつが、この「電気インジェラ調理器」です。この調理器は、主食であるインジェラ(直径1メートルほどの円形状に薄く焼いたパン)を焼くものです。円盤形をした素焼きの焙烙(ホウロク)の裏には電気コイルがはりつけてあります。

首都アジスアベバに在住するTさんは、今から25年ほど前にこの調理器を700ブルで購入したそうです。購入当時、コーヒー1杯の価格は約0.1ブルだったそうですから、いかに高価な買い物だったかわかります。Tさんは、多くの人が最初に購入したがる電気製品、ラジオよりも前にこの調理器を購入したといいます。現在もそのときの調理器を使っているそうです。エチオピアの友人によれば、インジェラ調理器は、今でも車、冷蔵庫、テレビなどとならび、入手したい贅沢品のひとつだそうです。

作成日: 2008年11月20日 | 作成者: 事務局