「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
■■■ February 2015 第140号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1164 】■■■■■

__________今月号の目次__________________

□「My unforgettable experience with leeches in Laos」
 (ラオスでの忘れられないヒルの思い出)..........フィールド便り
□「Ways to live in the Ayeyarwady Delta, Myanmar」
 (ミャンマー、エーヤワディー・デルタの暮らし)
    ........................................メルマガ写真館II
□お知らせ..........................................入試情報など
□アフリカ地域研究資料センター情報......................出版情報
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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【英文】

「My unforgettable experience with leeches in Laos」
   .............Nyein Chan(Division of Southeast Asian Studies)

The leech is a carnivorous worm belonging to the Phylum Annelida,
 living in either water bodies or moist forests. Because my hometown
in Myanmar is located in the dry region, I have never met the animal
 there. Here, I would like to share my experiences encountering
leeches during a field trip to Laos.

In July 2009, I joined a training course in Thailand and Laos on
wetland management in the lower Mekong subregion. During the course,
a field practice program was held in the wetland of Champasak Province,
southern Laos. The wetland is a very shallow freshwater pond full of
aquatic plants. We conducted a vegetation survey and soil and water
sampling for further testing. When my colleagues came out from the
ponds after the survey, I was shocked to see leeches sucking blood
from their bodies. I learned that this freshwater leech is
Hirudinaria sp., which adheres to another animal and sucks its blood.
 It is called “ping” in the Lao language.

In September 2013, I visited a mountainous region of Luangprabang
Province, northern Laos. In the village, the Khmu people grow upland
rice and maize in swidden (slash and burn) fields with three to five
years of fallow period. My work was to estimate biomass recovery in
forest that was fallowed after swidden cultivation. I measured the
diameter, height, crown size, weight of fresh leaves, and trunk of
the recorded trees for the different years of fallow forest. When I
 entered the older fallow forest with large bamboo stands, many
leeches were found on the ground. They were standing up and shaking
their bodies searching for potential hosts. One day, I was shocked
when I saw my colleague’s neck bleeding. The mountain leech
Haemadipsa sp., called “thaak” in the Lao language, was sucking
 blood from his neck. Following this shocking experience, I did not
want to continue working, but it was essential for my studies.
Through trial and error, I found a way to protect myself from the
 forest leeches. First, tuck your trousers into your socks. Next,
apply detergent to the boots. Then, actively move and shake your
legs. This small but unpleasant creature is a reminder to me of
the varied environments of mainland Southeast Asia.


【和文】

「ラオスでの忘れられないヒルの思い出」
       ................. ニエン・チャン(東南アジア地域研究専攻)

ヒルは肉食の環形動物で、水中や湿った森林に生息しています。私の生まれ
育ったミャンマーの町は乾燥地域にあり、ヒルはいませんでした。今回は、
ラオスのフィールドワーク中に経験したヒルとの出会いについてお話しします。

2009年7月、タイとラオスで実施された湿地管理のトレーニングコースに参加
しました。その一環で、南部ラオスのチャムパサック県で現地実習プログラム
が行われました。そこの湿地は水生植物で覆われたかなり浅い淡水池でした。
私は植生調査と追加実験のための土壌と水のサンプリングを実施しました。
その実験中、私の仲間たちが調査を終えて池から出てきたときに、彼らの体で
血を吸っているヒルを見て衝撃を受けました。淡水に棲息するこのヒル
(Hirudinaria sp.)はラオ語でピンと呼ばれ、他の動物にくっつき、
その血を吸います。

2013年9月私は、ラオス北部のルアンプラバン県を訪れました。その村では
クムの人々が陸稲とトウモロコシを3年から5年の休閑サイクルの焼畑で栽培
しています。私の仕事は、休閑期間における森林バイオマスの再生を推定す
ることでした。私は休閑期間の異なる森林で、樹木の直径、高さ、樹幹サイ
ズ、葉の生重量、幹数を測定しました。比較的長い休閑期間を経て、大きな
タケが生えた森林に入ったとき、多くのヒルが地面にうごめいているのに気
づきました。彼らは立ち上がって体を揺らし、血を吸う相手を探していまし
た。ある日、私の仲間の首から血が出ているのをみてショックをうけました。
ラオ語でタークと呼ばれるヤマビル(Haemadipsa sp.)が彼の首で血を吸っ
ていたのです。このショッキングな経験のあと、私は仕事を続けるのが嫌に
なりましたが、私の研究にとって欠かせない仕事なのでそうもいきません。
試行錯誤の末、私はヒルから自分の身を守る方法を発見しました。まず、ズ
ボンの裾を靴下の中にいれます。そして長靴に洗剤をつけ、常に足を動かし
ます。この小さく不快な生き物は、東南アジア大陸部に変化に富んだ環境が
あることを私に教えてくれました。

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ご覧いただけます。
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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【英文】
「Ways to live in the Ayeyarwady Delta, Myanmar」
      .........Thinn Thinn(Division of Southeast Asian Studies)

The Ayeyarwady Delta region (on the Irrawaddy River) is famous as the
 “Big Rice Pot” in Myanmar due to its high-quality rice production.
People are...

【和文】
「ミャンマー、エーヤワディー・デルタの暮らし」
            .........ティン・ティン(東南アジア地域研究専攻)

エーヤワディー・デルタ地域(イラワジ水系)は、高品質米を産出し、ミャンマー
の米どころ(Big Rice Pot)として有名です。人々は......

http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2015_02.html

(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

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■お知らせ
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□ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
  入試情報
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◆平成28年度入試日程

第1回試験日程:平成27年7月25日(土)、26日(日)

第2回試験日程:平成28年2月8日(月)、9日(火)
   東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ

詳細は以下のサイトへ
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application


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□ 小林繁男教授 退職記念講義
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◆「日本のチゴユリ生態研究からグローバルな熱帯林の修復まで」

日時:2015年3月13日 金曜日 15:30~17:00(受付開始15:00)
場所:稲盛財団記念館(三階)大会議室

詳細 >>http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/events/3968


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□ 東南アジア研究所 情報
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/
───────────────────────────────
◆第1回「ゾミア研究会」

日時:2015年2月24日(火)14:00-17:30
会場:稲盛財団記念館小会議室I

詳細 >>http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20150224/


◆第2回「ゾミア研究会」

日時:2015年3月9日(月)14:00-17:30
会場:稲盛財団記念館201号室「東南亭」

詳細 >>http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20150309/


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□臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/
───────────────────────────────
フィールド・ワークの報告書が続々とアップされています。
ぜひご一読ください。

新着学生レポートは以下のサイトへ
http://www.iasu.kyoto-u.ac.jp/


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■京都大学 アフリカ地域研究資料センター HP掲載情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センターが発行する
African Study Monographs Vol. 35-2が出版されました。

下記のサイトから自由にダウンロードすることが可能です。
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/asm/normal/asm_35-34.html


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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
  ・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U
http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示)


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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆
京都大学の植物標本収蔵庫は、総合博物館の地下にあります。関係者
以外立ち入り禁止なので、その詳細はあまり知られていません。入り
口で記名して中に入ると、図書館の書庫のように、標本を収めた棚が
一面に並んでいます。目的の標本を探しやすいように、決められた
順序で収められているのも、図書館と同じです。通路には、世界中
から届いたダンボールが積まれています。その中には、種名の同定を
待つ膨大な標本が入っています。地球規模の環境問題の研究も、この
ような地道な作業に支えられています。(Y.K)

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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室より発行して
います。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
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宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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