ともに来たれ、スーフィズム研究の道へ

イスラーム世界論の基礎


 本講座のスーフィズム研究は、イスラーム世界論の一環をなします。スーフィズム研究の重要性を理解するためには、まず、イスラーム世界論の基礎を把握することが必要です。
 以下に概要を述べます。

(1)イスラーム世界論では、「イスラーム世界」というメタ地域を一つの参照枠組として、そこに含まれるイスラームと関わりの深い諸地域を地域研究として研究します。
 具体的には、中東、北アフリカ、中央アジアなどが対象となります。全体はイスラーム地域ではありませんが、南アジアや東南アジアも、研究テーマによってはこの視角から研究対象となります。

(2)地域研究はディシプリンの学際的(インターディシプリナリー)・学融合的(トランスディシプリナリー)な適用と臨地研究・原典研究を結合させて行うものです。ディシプリンには、社会学、人類学、政治学、経済学など、様々なものがありますが、イスラーム世界論では、それに加えてイスラーム学の修得を強く勧めます。ここに、本講座のイスラーム世界論の特色があります。

 なぜ、イスラーム学が必要なのでしょうか。
 それをお話しするためには、三層的分析枠組に触れなくてはなりません。
 
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