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第一回 「水と人とのあるべき関係を求めて 水の地域特性と生態環境」
[研究項目] 1.中央アジアの農業と環境再生 アラル海環境問題 2.世界の飲料水の水質 3.水汚染と農業

Contents1、水不足を警告する新聞記事 2、Human Stresses on the Land and Water Resources 3、Global water withdrawals 4、世界の沙漠分布 5、シルダリア航空写真 6、沙漠の灌漑農業 7、遊牧の国 8、消える湖 −アラル海− 9、塩害によって放置された農地 10、水を汲む少年 11、老人と井戸

人は水を求め、その地の自然環境、とりわけ水環境との折り合いの上で、その地で許容される生業と文化を創造してきた。自然が許容する域を逸脱したとき、その文明は消えざるを得なかった。しかし、近代の科学技術の発展はそのような自然との折り合いなぞないかのように人間が振る舞うことを可能としてきたし、部分的ではあれ自然を超越したかのような錯覚を持つことさえ現実のものとしてきた。ところが、科学が気付かない間に、地球上の水環境は質的にも悪化し、人間を含む生物の生存すら危うくするまでに至っている。地球環境問題と呼称されるものは、それぞれの地域の生態環境との折り合いを忘れた文明の破綻の総合として表出してきたものである。地域生態環境との折り合いをもう一度考え直すところからしか、持続可能な社会の展望は開けないだろう。ここで紹介する事例は、そのための出発点となるものと考え、取り組んでいる課題である。