「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
■■■ July 2015 第145号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1171  】■■■
____________今月号の目次______________

□「ウガンダ高地に住むイモを主食とする人びと」
                 .............フィールド便り
□「森のディナータイム」....................メルマガ写真館II
□お知らせ ...........................受賞情報、入試情報など
□アフリカ地域研究資料センター情報 .............出版情報など
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「ウガンダ高地に住むイモを主食とする人びと」
             .............堀光順(アフリカ地域研究専攻)

アフリカの主食といえば、トウモロコシやキャッサバのほか、シ
コクビエやソルガム(もろこし)、トウジンビエなどの雑穀が有
名です。ウガンダの首都カンパラでは、バナナが主食となってい
ます。バナナといっても、われわれが食べる甘いバナナではなく、
プランテンバナナ(料理用バナナ)が主流で、甘くないのが特徴
です。ウガンダの北部ではシコクビエがおもな主食になります。

私が調査をしているウガンダ共和国の南西部に位置するカバレ県
では、サツマイモが主食として利用されています。なぜ南米原産
のサツマイモが主食として利用されているのでしょうか。それは
カバレ県の自然条件に大きく関係しています。

カバレ県はアフリカ大地溝帯に位置し、標高が1300mから2400mと
高く、冷涼かつ湿潤な気候の高原地域といえます。カバレ県は冷
涼湿潤な気候条件から古くから人口密度が高い地域でしたが、プ
ランテンバナナが栽培できない地域でもありました。そのため、
植民地期にサツマイモが導入される以前に、人びとはソルガムを
主食として利用していました。

カバレ県に住む人びとはサツマイモを蒸して、昼食と夕食時に
4~5本ほどを食べます。しかし、サツマイモとは別にタンパク
質を摂取する必要があります。そこで、人びとは副食にインゲン
マメのスープを食べて、植物性のタンパク質をとっています。こ
のスープには、インゲンマメのほかにアマランサスやイヌホウズ
キといった草本の若葉を家や家畜囲いの周辺で摘み、一緒に煮込
みます。塩味が少しあり、薄味の料理です。お祝い事や臨時の現
金収入があった際には、落花生のペーストを混ぜて、食事に花を
そえます。

毎日サツマイモやジャガイモを食べていると、その食事に飽きな
いか、疑問ではないでしょうか。いいえ、私はまったく飽きるこ
とはありませんでした。収穫期から時間がたち、食料が欠乏する
端境期にむかうと、食卓に出るイモは小さくなります。そのため、
日に日にイモの味が濃くなり、甘く感じ、食べやすくなります。
さらに、サツマイモは食物繊維を米の10倍含んでいるとされます。
そのため、滞在中は便秘に悩まされることは一度もありませんで
した。しいていえば、いつもよりオナラが多く出るのがひとつの
悩みでしょうか。そんなウガンダ高地へ、これから向かいます。


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ご覧いただけます。
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「森のディナータイム」
            ............関野文子(アフリカ地域研究専攻)

これは、カメルーン熱帯雨林に暮らす狩猟採集民バカの村での
私の夕食です。この日の主食は...

http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2015_07.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html


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■お知らせ
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□ 受賞情報
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◆大学院生のNyein Chanさんが、第25回日本熱帯生態学会年次大会の
最優秀発表賞を受賞しました。受賞の対象となった発表は「Can Wa-U
 (Amorphophallus spp.) cultivation be an alternative livelihood
option for swidden cultivators in the course of swidden transf-
ormation? A case study in Matupi, southern Chin State, Myanmar」
です。
詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/topics/4420

◆研究員の藤田知弘さんが第25回日本熱帯生態学会年次大会の最優秀
発表賞を受賞しました。受賞の対象となった発表は『熱帯山地雨林の
拡大過程における止まり木効果の重要性』です。
詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/topics/4409

◆卒業生の四方篝さんが日本熱帯生態学会 第19回吉良賞を受賞しま
した。四方さんはアフリカ・カメルーンの熱帯雨林の焼畑農耕の農業
システム、人間の生業活動と生態系とのつながりを研究しており、代
表的な著作は『焼畑の潜在力─アフリカ熱帯雨林の農業生態誌』 (昭
和堂、2013年)です。
詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/topics/4402

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□ 入試情報
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ASAFAS大学院入試(第1回試験)が7月25日(土), 26日(日)に実施され
ます。第2回試験の予定などは以下の通りです。

◆平成28年度 第2回入学試験
 (東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:平成28年1月12日(火)~1月22日(金)午後5時必着
試験日程:平成28年2月8日(月)、9日(火)

◆平成28年度学生募集要項と出願書類のダウンロードができます
ダウンロードと入試詳細 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application

◆平成28年度 第3年次編入学試験
試験日程:平成28年1月19日(火)
※募集要項等は10月中旬に研究科ウェブサイトに掲載いたします。

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□臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/
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フィールド・ワークの報告書が続々とアップされています。
とてもホットな調査報告をぜひご一読ください。

新着学生レポートは以下のサイトへ >>
http://www.iasu.kyoto-u.ac.jp/


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■京都大学 アフリカ地域研究資料センター HP掲載情報
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□出版情報
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太田至教授の編著書『アフリカ紛争・共生データアーカイブ 第2巻
(京都大学アフリカ地域研究資料センター)』が出版されました。

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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U
http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示)

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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆
今号の「フィールド便り」と「メルマガ写真館」では、図らずも、おいしそう
な 「おいも」の話題が続きました。サツマイモ、ジャガイモ、キャッサバ、
ヤマイモ・・確かにアフリカではよく芋を食べます。日本の農水省の最近
の基本計画によれば、戦争などで食料輸入が止まった場合でも、イモ中
心の農業に切り替えればカロリーベースでの自給が可能とか。コメ以前
の日本人の主食はサトイモであった、という説や、ヒトが脳を大型化でき
たのはイモ類の利用のおかげ、という説など、わたしたちとイモとの関係
はたいへん興味深いものです。(GY)

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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFAS臨地教育支援センターより発行しています。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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