「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
■■■ September 2015 第147号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1173  】■■■
____________今月号の目次______________

□「被災地のいま─ネパール大地震から5か月を経て」
                                ..............フィールド便り
□「テント村の案内人」......................メルマガ写真館II
□お知らせ ......................オープンキャンパス情報など
□講演会・セミナー情報 ..............アフリカ地域研究会など
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「被災地のいま─ネパール大地震から5か月を経て」
              .......安念真衣子(グローバル地域研究専攻)

2015年4月25日、ネパール大地震が発生しました。震源地ゴルカ郡の
周辺や、相次ぐ余震の震源地となったシンドゥーパルチョーク郡、
そして首都カトマンドゥでも大きな被害が出ています。死者は8800人
を超え、負傷者は2万人に至り、行方不明者も多数のまま、5か月が
経ちました。

私の調査地であるカブレ郡は、首都カトマンドゥと、甚大な被害を
受けたシンドゥーパルチョーク郡の中間に位置しています。調査村
でも、土と石で出来た一般的な家は、全軒全壊となりました。地震
のみならず、雨期である現在は、毎日深夜に降る集中豪雨により、
地盤がゆるみ、地滑りが起きています。丘陵地を切り開いてできた
段々畑には、人の背丈を超える程の大きな石が崖から転がってきて
います。また、トタン屋根の仮設家屋は、毎晩ひどく雨漏れし、感
電、落雷、余震の不安とともに困難な状況が続いています。また、
地震により、これまで豊富に溢れ出ていた湧き水がすっかり枯れて
しまったり、支援物資の分配をめぐって不満が生じたりといった課
題もあります。

しかし一方で、物資が届けられたわけではないのに、元々ある竹、
石、壊れた家の柱などを再利用して住まいを確保したり、少々時期
は遅れながらも、例年通りの農作物を栽培していたりと、知恵と生
活力の強さに驚かされます。

ある朝、屋根が崩れた隣の家に、男性がのぼっていました。瓦を一
枚一枚剥がして回収していきます。崩れていないレンガも取り置き、
壊れたレンガや土壁はハンマーで崩していきます。屋根を支えてい
た木の柱は、釘を抜いて一本ずつ崩し地面に投げていきました。こ
うしてあっという間に、二階部分が解体されたのです。解体された
その家は二年前に建ったばかりの新築でした。新築の家を自らの手
で壊していく有様を前に、地震がもたらしたどこへとも向けようの
ない悲しみと、目の前で現在おこなわれている解体の手早さに対す
る驚きを噛みしめつつ、私はカメラを向けました。「いったん更地
にして、もう一度ここに家を再建するんだ」と、汗を流しながら屋
根の上から両手を大振りにふって笑顔で応える姿は、どのような家
が建つのだろうかと将来への希望を抱かせるのでした。


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ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/


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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「テント村の案内人」
            .......安念真衣子(グローバル地域研究専攻)

ネパール大地震は、雨季に発生したため、地震による家の崩壊に
加えて降雨による土砂災害も生じています。特に....

http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2015_09.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html


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■お知らせ
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□ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
  アフリカ地域研究専攻オープンキャンパス情報
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日時:2015年10月17日(土)14:00~17:00頃(受付開始 13:30)
会場:京都大学 稲盛財団記念館3階 318号室(川端キャンパス)

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)アフリカ
地域研究専攻は、平成28年度入試第2回試験(28年2月)に向けて
オープンキャンパスを行います。ふるってご参加ください。

来春大学卒業予定以外(社会人、大学院生、大学3年次以下)の方も、
自由に参加していただけます。志望専攻や研究テーマを決めていな
い場合も歓迎です。

詳細は以下のサイトへ
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/africa-opencampus2015

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□ 入試情報
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◆ASAFAS第2回試験(平成28年2月8日、9日)の願書等出願書類の
ダウンロードが可能になりました。

詳細>>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application


◆平成28年度 第3年次編入学試験
試験日程:平成28年1月19日(火)
※募集要項等は10月中旬に研究科ウェブサイトに掲載いたします。

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■講演会・セミナー情報
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◆第213回アフリカ地域研究会
日時:2015年10月15日(木) 15:00~17:00
会場:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
演者:竹沢尚一郎(国立民族学博物館・教授)
演題:アフリカ史から世界史を考える

研究会詳細フライヤー >>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/as/as213217.pdf

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□臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/
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フィールド・ワークの報告書が続々とアップされています。
とてもホットな調査報告をぜひご一読ください。

新着学生レポートは以下のサイトへ >>
http://www.iasu.kyoto-u.ac.jp/

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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U
http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示)

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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆

今月号は、ネパール大震災特集です。大震災が起こって5ヶ月が経過し、
日本のメディアで報じられることもほとんどなくなりました。しかし、
現地では、なお多くの人が行方不明のままとなっており、生活の再建へ
向けて人々が懸命に努力しています。今月号のフィールド便りと写真館
により、現状を少しでも皆様にお伝え出来ればと存じます。

日本も、大雨、噴火、地震などの自然災害に見舞われています。人間の
力を超えた自然の災害には、人々が協力して立ち向かうほかはないと思
いますが、その一方で、人間が生み出したシリア難民の悲劇も報じられ
ています。人々の協力が著しく困難な現状を前に、学問に何が出来るの
か、考える日々です。(KN)

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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFAS臨地教育支援センターより発行しています。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

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います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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