「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
 
■■■ December 2018 第186号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン ASAFAS E-zine
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine (IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1225】■■■■■

________今月号の目次 Contents______________

□フィールド便り.................. 知の結節点、カラウィーイーン図書館
□メルマガ写真館.................... ビリヤニと鍋とカースト
□お知らせ.....................................入試日程
□講演会・セミナー情報........アフリカ地域研究資料センター公開講座
□最近の出来事.............................. Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「知の結節点、カラウィーイーン図書館」
棚橋由賀里(グローバル地域研究専攻)

モロッコの古都フェズ、9世紀から続くその旧市街の奥に、私の目指すカラウィ
ーイーン図書館はあります。

青いタイル模様が印象的な旧市街西側のブー・ジュルード門から、入り組んだ
道を進みます。大きい通りでも大人が3人並んで歩けるかどうかというところで、
GPSも使えず文字通りの迷路です。街路の左右には、色鮮やかな絨毯や陶器、細
かな透かし彫りのされた銅製のランプなどを扱う土産物屋が並んでいます。少
し目を留めると熱心な売り込みに遭うので早足で進みたいところですが、起伏
の激しい石畳の道ではそうもいきません。時折、注意を促す声とともに原付バ
イクや荷物を背負ったロバが脇を通り抜けていきます。図書館が面しているサ
ファリーン広場に出ると、非公認の観光ガイドや大道芸人が溢れ、さらに騒々
しくなります。

しかし、ひとたび図書館の重厚な木の扉をくぐれば、街の喧騒は嘘のように遠
のきます。世界最古の大学の1つであり、長らく北アフリカの学問の中心だった
カラウィーイーン大学に併設された図書館には、現在も老若男女を問わず多く
の研究者が集まります。天井の高い閲覧室(写真)では皆、真剣な面持ちで書
物と向き合っています。

一方で、日本の図書館のような厳密な私語禁止ルールはありません。目当ての
史料のデータが出来上がるのを待つ間、日本人が珍しいのもあってかスタッフ
や近くの席の利用者は気さくに話しかけてきます。15世紀の学者が書いた本を
入手しに来たことを話すと、向かいの利用者の目が輝きました。彼は列車で7時
間の距離にあるマラケシュでイスラーム医学を研究していて、やはり写本を読
むためにこの図書館にやって来たそうです。彼のあくの強いモロッコ方言のア
ラビア語を聞き取るのは大変でしたが、古い知を求めてはるばるやって来た者
同士の連帯感のようなものが芽生えて、時間を忘れて話し続けました。カラウ
ィーイーン図書館は過去と現在だけでなく、言語の壁も超えて学問を志す人を
繋いでくれる場所でした。

(写真は次のFacebookでご覧ください)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/

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■ メルマガ写真館~フィールドで出会う~  Photo Gallery
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「ビリヤニと鍋とカースト」
久保田和之(グローバル地域研究専攻) 

この写真は、インドの西部のマハーラーシュトラ州の文教都市プネーのカスバ
パトという集落で撮ったものです。職人たちが作っているのはハンディという
ビリヤニ(中東から東南アジアにかけて親しまれている炊き込みご飯)等の調
理に使う銅製の鍋で・・・

(続きと写真は次のURLをご覧ください)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2018_12.html
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■ お知らせ Announcements
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□ 2019年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。

◆ 第3年次編入学試験
出願期間:2018年12月19日(水)~12月26日(水)17時必着
試験日程:2019年1月16日(水)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/transfer

◆ 第2回入学試験
(東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:2019年1月11日(金)~1月22日(火)17時必着
試験日程:2019年2月6日(水)、7日(木)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application

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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 京都大学アフリカ地域研究資料センター
公開講座「アフリカから学ぶこと:つなぐ」
(要事前申込・受講料 1講座1000円,5講座4000円)
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いま世界は思うほどにひとつではありません。例えば、国家、民族、言
語、宗教、貧富、ジェンダー、資源。私たちに差異と分断を感じさせる
これらの事象は、時間と空間を超えて存在してきました。しかし、アフ
リカの人びとは、このような隔たりを、さまざまな形でつなぐことによ
って活き活きと生きていく術を編み出してきました。
今年度の公開講座「アフリカから学ぶこと」では、アフリカに暮らす人
びとと私たち、あるいはアフリカの人びと同士をつなぐ様々なものを探
求します。みなさんも、私たちとアフリカをつなぐ共通の何かをみつけ
てみませんか?

◆ 第3回 2018年12月22日(土)
「村と都市をつなぐ:流通を回復する人びとの創意」
 木村 大治(京都大学アフリカ地域研究資料センター・教授)

◆ 第4回 2019年1月26日(土)
「世代を超えてつながる:狩猟採集社会における子育て」
 高田 明(京都大学アフリカ地域研究資料センター・准教授)

◆ 第5回 2019年2月16日(土)
「土地・水・森を守り継ぐ:タンザニア、パレ人長老H氏の思い出」
 池野 旬(京都大学アフリカ地域研究資料センター・教授)

いずれの回も、
時間:15:00~17:00(開場 14:30)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
定員:80名
*申込・詳細
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/contribution/kokaikoza2018.html

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□ ワークショップ『京都で世界を旅しよう!2018 地球たんけんたい(7)』
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文化多様性を体験的に知り、社会や人間や自分の可能性を発見するワークショップです。
地域研究、文化人類学等の研究者、俳優、ファシリテーターがコラボして場をつくります。
感性豊かな子どもたちと大人を対象とするトリップ5本立てです。ぜひご参加ください。

(4)2018年12月23日(日・祝)『ボクは大草原の遊牧民』(モンゴル)
お話:島村一平(滋賀県立大学人間文化学部)

(5)2019年1月26日(土)『思いやり社会のイスラーム』(中東・東南アジア)
お話:長岡慎介(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)・アミ・ムティア(同志社大学)

●対象 小学2年生~6年生
●時間 午前の部10:30~12:30(10:00より受付)
     午後の部14:30~16:30(14:00より受付)
●場所 京都大学東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館2Fセミナー室
●詳細・申し込み先:http://manalabo.org/

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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インドネシアのジャカルタに来ています。このメルマガの第117号
(2013年3月発行)の編集子で、ジャカルタには日本で退役した電
車がたくさん走っていることを取り上げました。それから約5年、
ジャカルタを走る日本製の電車も代替わりが進み、90年代の首都圏
のJR路線の主役だった205系(山手線、埼京線など)が最大勢力とし
て活躍をしています。205系の12両編成や先頭車どうしの連結など日
本では見られなかったマニア垂涎の光景も日常的に見ることができ
ます。空港鉄道が運行を開始したり、ジャカルタメトロも開業間近!
ノスタルジー派も新しいもの好きも、どんな鉄道ファンでも大満足
なジャカルタへぜひお越し下さい。(SN)
※第117号は以下をご覧ください。
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/bn_117.html

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□ メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、
ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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