「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
■■■ April 2011 第94号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1070】■■■

___________今月号の目次_________________

□「一枚の土器片」.................................フィールド便り
□「日本から一番遠い、クリスマス」...............メルマガ写真館II
□ASAFASからのお知らせ...........入試情報、東京説明会など
□GCOE情報
.............次世代イニシアティブ・研究助成報告、大学院派遣報告など
□セミナー情報
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「一枚の土器片」
                             ...............木村大治

京大アフリカセンターは25周年を祝ったばかりだが、その設
立よりも前、私が京大理学部人類進化論研究室の修士課程にい
たときのことである。私は鹿児島と奄美大島の間に点在するト
カラ列島のある島で、人々の社会関係の調査をしていた。指導
教官の伊谷純一郎先生(以下、伊谷さんと書かせていただく。
アフリカセンターの初代センター長)が、忙しい時間の合間をみ
て、私の指導に来てくださった。

フィールドを歩くことを生き甲斐にしていた伊谷さんは、面積
2km2、人口約80人という狭い島のかなりの部分を歩きつく
し、「この島は俺の性分には合わん」とこぼしていた。私は集
落のある島の西側から、南側を回る道路を通り、伊谷さんのま
だ行ってない東側を案内することにした。

山を覆うリュウキュウチクの林は海岸沿いでは途絶え、そこは
禾本科の草が生い茂る緩やかな斜面になっている。「このへん
には昔、村があったらしいですよ。今でもときどき土器の破片
が見つかるそうです」。私は歩きながら、資料で読んだ知識を
披露した。そう言った刹那、伊谷さんは「お、あれ何や?」と
つぶやいて道をそれ、草むらで何かを拾い上げた。それは一枚
の素焼きの土器片であった。私は手品でもみているような不思
議な心持ちがした。

その土器片は、京都に持ち帰ったあと、研究室の先輩の安溪遊
地さんを通じて、南島研究の大家である国分直一先生に見てい
ただいた。古墳時代から平安時代にかけて生産された「須恵器」
であるとのことだった。今も、極私的な伝説となった伊谷さん
の思い出と一緒に、私の研究室のどこかにしまわれているはず
である。

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このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから
ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_list.html

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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「日本から一番遠い、クリスマス」
 ................. 園田浩司(アフリカ地域研究専攻)

熱帯雨林に暮らす狩猟採集民、バカの友だちとクリスマスを
祝ったときのこと。お祭りの前日、子供たちと獲物を探しに
森に入りました・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2011_04.html

(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_phots.html

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お知らせ
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□大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試情報

例年、実施されている入試月が9月から7月に変更となります
ので、ご注意ください。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/exam/guidelines.html

□東京説明会

日 時:2011年5月14日(土)15:00~17:00
 (受付開始:14:30)

場 所:京都大学 東京オフィス
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/
tokyo2011.html


※参加申込
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/
applicationT.html


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□アフリカ地域研究資料センター5回連続公開講座
「アフリカ研究最前線:生きる」
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/
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現代アフリカの人びとが生きてきたさまざまな環境とその変貌
について長年にわたってアフリカに通い続けてきたフィールド
ワーカーがお話します。

◆第2回「土に生きる」

アフリカ農業にとって「土」は最も大切な要素のひとつです。
アフリカ大陸の「土」にはどのような種類があり、どのような
特徴をもっているのでしょうか。アフリカにおける「土」と
人びとの暮らしとの関わりについてお話しします。
詳細>>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/20110528.html

日 時:2011年5月28日(土)15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室

スピーカー:
荒木茂(京都大学アフリカ地域研究資料センター 教授)

受講料:4000円(5講座)
 ※1回ずつの受講も可(1講座1000円)

登録フォーム
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/form.html

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□アフリカ地域研究資料センター --◆東京公開講座◆--
「アフリカ研究最前線:アフリカの食と農」
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/
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日 時:2011年5月14日(土)11:00~13:00
会 場:京都大学 東京オフィス 会議室2・3

講 師:伊谷樹一(京都大学アフリカ地域研究資料センター)
「アフリカの農業と農村開発」

講 師:木村大治(京都大学アフリカ地域研究資料センター)
「アフリカ熱帯林における生業と食生活」

http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/2
0110514TOKYO.html


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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U

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□アフリカ地域研究資料センター
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HPがリニューアルされました。
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/

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■京都大学 G-COE プログラム
:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点HP掲載情報
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■若手研究者養成
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□GCOE次世代研究イニシアティブ・研究助成報告(2010年度)

◆「インドネシア木造住宅の生物劣化被害調査」
....森拓郎

イニシアティブ3 において考えられている「地域生存基盤の再生研究」
では、生存基盤の再生が謳われている。地域の生存基盤と考えれば様々
なものが挙げられるが、世界中どの地域においても・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_jr_mori_j


◆「〈被災地〉から〈かかわる場〉へ
─生存基盤が支える個人とコミュニティの復興再生の研究─」
....?元聡子

本研究では、南スラウェシ州バワカラエン山頂カルデラ壁崩落に伴う
地滑り災害(2004年3月)による被災地と、ジャワ島中部地震(2006年
5月)の被災地を主要な調査地に設定し、被災者と外部支援者との・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_jr_hamamoto_j


◆「死別・離別女性のリスクに対応する社会関係」
....佐藤奈穂

本研究の当初の目的は、沖縄を対象に夫を失くした女性がいかに生計を
維持しているのか、を明らかにすることを通し、リスクに対応する地域
の社会関係を捉え、再評価することであった・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_jr_sato_n_j


◆「グローバル化時代における先端科学用語のアラビア語化」
....竹田敏之

本研究は、現代アラブ世界における情報科学・技術、医療分野の教育制度
を把握し、とくにこれらの分野の学術用語の生成と標準化について、アラ
ビア語化(タアリーブ)のメカニズムの解明を中心に・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_jr_takeda_j


>>GCOE次世代研究イニシアティブ・研究助成報告リスト
(2010年度)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_jr_list


□GCOE次世代研究イニシアティブ・研究助成報告(2009年度)

◆「東北タイ農民の生存戦略における自給的稲作の位置づけ」
....渡辺一生

タイ国東北部では、稲作に必要な水資源を降雨にのみ頼った極めて低収量
で不安定な天水田稲作が行われてきた。1980年代になると、同地域は急速
な経済発展を遂げ、都市部での就労や換金作物の大規模生産・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2009_jr_watanabe_j


>>GCOE次世代研究イニシアティブ・研究助成報告リスト
(2009年度)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2009_jr_list


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■大学院教育
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□GCOE大学院派遣報告(2010年度)

◆「マラッカ海峡におけるマングローブ林生態系の地域利用と保全」
....原田ゆかり(ASAFAS 東南アジア地域研究専攻)

インドネシア・バタム島はマラッカ海峡に位置し、シンガポールに
近接するという立地環境から,シンガポールのハブ港として発展して
きた。現在は多国籍企業の工業団地が数多く存在する工業島・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_fs_harada_j


◆「現代アラブ世界におけるメディアと国家」
....千葉悠志(ASAFAS 東南アジア地域研究専攻)

2009 年度のアラブ世界(とりわけマシュリク地域)における
メディア・シティ建設状況は、図1 の通りである。この図から
は、11 カ国で既にメディア・シティが存在しているか、ある
いは建設中、建設計画がある・・・
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010_fs_chiba_j



>>大学院派遣者報告リスト(2010年度)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/2010list


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■4月開催の研究会※研究会活動の記録掲載をすすめています。
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■パラダイム研究会
[2011-04-18] [第37回パラダイム研究会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/20110418_para


◇シンポジウム/研究活動の記録 一覧
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
staticpages/index.php/gcoe_report_list#IC30


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■セミナー情報....5月のおもな地域研究関連の研究会情報
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[2011-05-14][東南アジア学会関西地区例会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/20110514


[2011-05-14] [アブラヤシ研究会第18回]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/20110514_02


[2011-05-16]「最終成果出版に向けて:第6巻の構想」
[第38回パラダイム研究会]  (パラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/20110516_para


[2011-05-25]「OUR LIFE─僕らの難民キャンプの日々」
[第34回映像なんでも観る会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
article.php/20110525


◇カレンダーからその他セミナー情報が閲覧できます。
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
calendar/index.php

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◆編集子より◆

今号から、メルマガの編集作業をASAFAS広報委員会で預かることに
なりました。1000人以上の読者を持つこのメルマガですから、
ASAFASの活動を発信するメディアとして途切れさせることなく発行し
続けたいと考えています。メルマガに載せる短いエッセイ風の文章
を書くことは、執筆の多くをお願いすることになる院生のみなさんに
とって、フィールドでの感性を発信する、たいへんいい機会になると
思っています。私自身、若い頃にそのような機会をもらって文章を練り、
それを面白いと言ってもらって、ずいぶん自信になったことを覚えて
います。執筆者候補のみなさんも、今後ともよろしくおねがいします。
(DK)
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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASフィールドワーク・インターン
シップ支援室より発行しています。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
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協力:
京都大学 G-COEプログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
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