プログラム概要

頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム:アジア・アフリカ地域を理解するためのトライアンギュレーション・プロジェクト

日本学術振興会が平成22年度から新たに開始した「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」に、本研究科の「アジア・アフリカ地域を理解するためのトライアンギュレーション・プロジェクト」(平成22年度~平成24年度)が採択されました。

頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム(以下、頭脳循環プログラム)とは?

頭脳循環プログラムは、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)が、「最先端研究開発戦略的強化費補助金」にもとづき、国際共同研究に携わる若手研究者の海外派遣を支援し、国際的な頭脳循環の活性化を通じた我が国の学術の振興を図ることを目的に設立した競争的研究資金制度です。このプログラムの実施を通じて、若手研究者が世界水準の研究に触れ、世界の様々な課題に挑戦する機会を拡大するとともに、海外の大学等研究機関との研究ネットワークを強化します。

本プロジェクトについて

本研究科(ASAFAS)は、フィールドワークを主な教育研究の手法とし、アジア・アフリカの「地域の知」と領域横断的な知識を身につけた地域研究者および地域実務者の育成に努めてきました。本事業では、その延長上に2つの目的を設定します。 第1の目的は、欧米中心のグローバルな知識の再生産体制の是正をめざし、「地域」の複眼的な理解を増進する人材を育成することです。 第2に、第1の目的を受けて以下の3領域をパイロット事業と位置づけ、欧米やアジア・アフリカ諸国で展開されている先進的な研究と本研究科が推進してきた地域研究との融合をはかります:
①総合的なコミュニケーション研究
②親縁関係が推定される言語や文化の地域間比較
③領域横断的な実務志向の教育研究
これらの目的のため、上記①~③に関する研究環境が卓越している研究機関との協業関係を強化し、事業実施期間中(平成22年度~平成24年度)に若手研究者数名を各人2つ以上の研究機関に派遣します。

国際共同研究

本事業は、「アウトプット研修」「コラボレーション調査」「オーガナイズ能力育成」の3つのサブ・プログラムを通じて、上記の3側面(総合的なコミュニケーション研究、親縁関係が推定される言語や文化の地域間比較、文理が融合した実務志向の教育研究)での共同研究を進めます。3つのサブ・プログラムは、実施場所および参加者の構成が異なります。その一方で、これらはいずれも地域への関わり方や視座が異なる専門家の間の相互理解、すなわち地域研究におけるトライアンギュレーションを推進するものです。若手研究者は、3つのサブ・プログラムを縦横に駆使することで自らを相対化、対象化し、偏らない「地域」への関わり方を学びます。