South Asia and Indian Ocean Studies Seminar

第12回研究会

京都人類学研究会主催
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科付属現代インド研究センター
南アジア・インド洋世界研究会 共催

「『カーストと平等性:インド社会の歴史人類学』とその後」  

日時:2011年5月19日(木) 18:00開場 18:30開始
場所:京都大学 総合研究2号館 4階会議室(AA447)
発表者①:田辺明生(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
発表者②:内山田康(筑波大学人文社会学研究科)

*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*どなたでもご自由に参加いただけます。

発表要旨は以下のとおりです。

拙著『カーストと平等性-インド社会の歴史人類学』(東京大学出版会、2010年)で、私は、史料分析と臨地調査を組み合わせることにより、過去と現在を往復しながら、18世紀から2009年現在までのインド社会のダイナミズムを理解することを試みた。特に注目したのは、カースト間関係の歴史的変容、そしてそこにおける人々の行為主体性(エージェンシー)のはたらきであった。そこでは、現在のインド・オリッサ地域社会の変容は、<地位のヒエラルヒー>と<権力の中心性>という植民地下において強化されたヘゲモニー構造を乗り越え、生活世界のなかに維持されてきた<存在の平等>という価値を媒介として、下層民(サバルタン)の観点から供犠 倫理とデモクラシーとを接合しようとする<ヴァナキュラー・デモクラシー>への動態として理解することができるのではないかと論じた。本発表では、拙著で提示した議論をできるだけわかりやすく論じ直してみたい。また社会変容および民主化を議論していく上で、人類学的視点と方法はなぜ重要なのかについて考えてみたい。

□ 問い合わせ先
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京都人類学研究会事務局 inq_kyojinken [at] hotmail.co.jp
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