自己構築の場としての芸能空間:演じる、歌う、真似る (2009)

概要

 本共同研究は、アジア・アフリカにおける芸能を担う人びとの芸能空間での交渉を詳細に考察することで、かれらの生活世界から都市を描くことを挑戦している。具体的には、大門がウガンダの大衆芸能「カリオキ」、飯田がインドの民俗芸能「タマーシャー」を対象とする。
 本共同研究は、2008年度の同プログラムの助成を得て実施した『大衆芸能からみる都市的世界』の続編として発展させるものである。前回までは、大衆と芸能という大雑把な括りの考察にとどまっており、人びとの実践へ目を向けて芸能と人との関わりを新たに照射しなおすことを志向する我々は、さらなる共同研究の必要性を感じている。そこで今後は、芸能の参与者たちの生活・社会背景まで踏み入れて考察をおこなう。本研究の報告会として、立教大学(東京・池袋)で予定している。我々に加え、人びとの生活世界から都市を考察している若手院生を発表者として招き、研究会を開催する。

研究報告会

研究報告会
プログラム

成果論文

アジア・アフリカ地域研究第10-2号

大門碧
ウガンダの首都カンパラにおける若者たちの社会関係-現代アフリカのサブカルチャー「カリオキ」を事例にして-
DAIMON Midori
Karioki, a Modern African Subculture: Social Relationships among the Youth in Kampala, Uganda

メンバー

氏名調査地研究テーマ
大門碧
(研究代表)
ウガンダ
(カンパラ)
盛り場のパフォーマンスを担う若者たちの社会関係に関する人類学的研究
飯田玲子インド・マハーラーシュトラ州
(プネ・ムンバイ)
現代インドにおける都市文化と中間層-マハーラーシュトラ州のタマーシャー劇に注目して


大衆芸能からみる都市的世界(2008)

概要

この共同研究は、アジアやアフリカの都市で実践されている大衆芸能を対象にして、都市社会のあり方を再考することをめざしました。ウガンダの首都カンパラのステージ・パフォーマンスと西インドのマハーラーシュトラ州の都市の舞台芸能を対象に調査してきた2名が取り組みました。2名とも博士予備論文を書き終えた後、2009年2月にエチオピアに集まり、エチオピアの音楽職能民アズマリや彼らの芸能実践について見聞を深めると同時に、同月26日にはエチオピアのアジスアベバにおいて、アジスアベバ大学の大学院生や都市でのパフォーマンスにかかわる人たちを招いて研究報告会を企画・開催しました。

研究報告会

研究報告会(「ケアをめぐる実践」グループと合同)
2009年2月26日 TDSホテル会議室(エチオピア・アジスアベバ)
Program (English)

研究報告書

目次

都市(みやこ)の夜の夢
―ウガンダとインドの舞台芸能を担う者達―

演目
 舞台設定 カンパラの夜の盛り場で
 舞台設定 デカンの乾いた風が吹き付ける
鑑賞案内 都市の夜の夢 との出会い
  結成 若者たちが生み出すグループ
  結成 彼らの背中、彼らの流儀
 開演前 さまざまな若者たちの、さまざまなたくらみ
 開演前 タマーシャーが街にやってきた
  幕間
 上演中 まったなしの変動模様
 上演中 様々な人々と、様々な思惑が交差する場
  幕間
 終演後 そこは、出会いと別れの場所
 終演後 夜の夢が終わるころ
舞台裏 都市の夜の夢 のこれから
  スタッフ紹介
  参考文献
 

メンバー

氏名調査地研究テーマサマリー
大門碧
(研究代表)
ウガンダ
(カンパラ)
盛り場のパフォーマンスを担う若者たちの社会関係に関する人類学的研究English
飯田玲子インド・マハーラーシュトラ州
(プネ・ムンバイ)
現代インドにおける都市文化と中間層-マハーラーシュトラ州のタマーシャー劇に注目してEnglish