ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第三回 「インド・デカンと西アフリカのミレット農耕−相互技術交流をめざして」
 
  Contents

1、インドで最も多くの...

2、このイネの空白部で栽培されて...

3、数あるミレットのうち...

4、そこから商品価値も小さい・・・

5、作物体レベルでの...

6、耕土が十分に細かく、...

7、デカンのミレット農耕における...

8、さらにデカンのミレット農耕の...

9、中耕除草作業のあとに...

10、[土地利用−農耕システム]における第2の...

11、[土地利用−農耕システム]における第3の...

12、デカンのミレット農耕の...

13、問題は、その犁による...

14、では、マリの犁が導入されている...

15、乾燥地帯での深耕反転は...

16、この近代化による犁の導入は...

17、そうした反転深耕による...

18、結論

   7

 デカンのミレット農耕におけるもう一つの大きな特色は、主穀作物以外にさまざまな作物を同時に混ぜて播いていく混播の採用である。ある村で調査したところ、同じ耕圃の中に8種類もの作物が植えられていた。この混播という栽培法は、熱帯畑作の大きな特色である。気温が年中20℃以上の熱帯では、温帯にみられるような夏と冬の区別はない。そのため、温帯のように夏作物から冬作物へというようにリレー式に農業を行う必要はない。それにかわって、同時に多くの作物を一斉に播いて、収穫できるものから順に収穫していく。つまり、温帯畑作はリレー式の駅伝農耕なのに対して、熱帯畑作はマラソン式の農耕なのだ。しかも、混播は、一作でもって多毛作的な効果をもつだけでなく、図にみるように、インド人の菜食主義的な食事の必要部分のほとんどを供給するのである。

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