ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第三回 「インド・デカンと西アフリカのミレット農耕−相互技術交流をめざして」
 
  Contents

1、インドで最も多くの...

2、このイネの空白部で栽培されて...

3、数あるミレットのうち...

4、そこから商品価値も小さい・・・

5、作物体レベルでの...

6、耕土が十分に細かく、...

7、デカンのミレット農耕における...

8、さらにデカンのミレット農耕の...

9、中耕除草作業のあとに...

10、[土地利用−農耕システム]における第2の...

11、[土地利用−農耕システム]における第3の...

12、デカンのミレット農耕の...

13、問題は、その犁による...

14、では、マリの犁が導入されている...

15、乾燥地帯での深耕反転は...

16、この近代化による犁の導入は...

17、そうした反転深耕による...

18、結論

   9

 中耕除草作業のあとに、刈取がやってくる。これは手鎌でなされる。そのあとが脱穀作業だ。脱穀作業では、テニスコートで使用される石のローラーのような重い石製脱穀具を、やはり牡牛2頭にひかせてなされる。畜力脱穀である。  ここで世界の主な畑作地帯の近代化以前の農耕での、農作業における畜力利用を比較しよう。詳しい説明は省略するが、中耕除草作業における畜力使用は、デカンのミレット農耕だけが達成した成果であり、これらの作業行程の全部に畜力一貫体系を成立させているのは、デカンだけである。デカンのミレット農耕は、決してイネの作付できない地方の遅れた農業ではなく、世界農耕史上に輝く重要なピークを形成する農耕なのである。

世界の主要畑作地帯における農作業行程への畜力導入
  主要作物 整地 播種 中耕除草 脱穀
デカン(1960年以前) ミレット
華北(1960年以前) ミレット・ムギ ×
西アジア(1960年以前) ムギ × ×
ヨーロッパ(18世紀) ムギ × ×
西アフリカ(1960年以前) ミレット × × × ×
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