ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第三回 「インド・デカンと西アフリカのミレット農耕−相互技術交流をめざして」
 
  Contents

1、インドで最も多くの...

2、このイネの空白部で栽培されて...

3、数あるミレットのうち...

4、そこから商品価値も小さい・・・

5、作物体レベルでの...

6、耕土が十分に細かく、...

7、デカンのミレット農耕における...

8、さらにデカンのミレット農耕の...

9、中耕除草作業のあとに...

10、[土地利用−農耕システム]における第2の...

11、[土地利用−農耕システム]における第3の...

12、デカンのミレット農耕の...

13、問題は、その犁による...

14、では、マリの犁が導入されている...

15、乾燥地帯での深耕反転は...

16、この近代化による犁の導入は...

17、そうした反転深耕による...

18、結論

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 この近代化による犁の導入は、マリの旧宗主国であるフランスからなされた。マリ南西部で使用される犁がもとのフランスのどの地方でかつて使われていたか見ることにしよう。図は、フランスにおける19世紀から20世紀初めの主な犁の分布を示したものである。マリの犁は、同図の上でドットで示されている「2本の柄と車輪をもつ犁」(双柄車輪犁)にあたる。その分布は、フランス北東部である。そこは、フランス湿潤地帯である。半乾燥地帯に属するフランス南西部また地中海地方には、そのタイプの犁は分布していない。湿潤地帯では降水が十分にあたるので、深耕反転による整地また「埋め殺し除草」は全く問題がない。しかし、この湿潤地帯の犁が半乾燥地帯に導入されると、先述のような問題が発生する。そこには近代化農法と生態環境との間に不適合な関係を生み出すのである。マリの犁の導入を核とする近代化農法は、このような問題を含んでいるのだ。

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