ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第三回 「インド・デカンと西アフリカのミレット農耕−相互技術交流をめざして」
 
  Contents

1、インドで最も多くの...

2、このイネの空白部で栽培されて...

3、数あるミレットのうち...

4、そこから商品価値も小さい・・・

5、作物体レベルでの...

6、耕土が十分に細かく、...

7、デカンのミレット農耕における...

8、さらにデカンのミレット農耕の...

9、中耕除草作業のあとに...

10、[土地利用−農耕システム]における第2の...

11、[土地利用−農耕システム]における第3の...

12、デカンのミレット農耕の...

13、問題は、その犁による...

14、では、マリの犁が導入されている...

15、乾燥地帯での深耕反転は...

16、この近代化による犁の導入は...

17、そうした反転深耕による...

18、結論

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 マリにおけるこのような状況をみると、同じ半乾燥地帯において環境ときわめて生態同調したデカンのミレット農耕を思い出さずにはおれない。農耕のように環境利用にかかわる技術においては、新しい技術を導入するにしても、その技術は同じく生態環境系の地帯に求められなければならない。マリの近代化農法のように温帯湿潤地帯の北東フランスから熱帯半乾燥地帯のマリへという技術移転はきわめてまずいのではないか、同じ熱帯半乾燥という類似環境の地方同士の間での技術移転が望ましい。マリとデカンのミレット農耕の比較研究はデカンの農耕技術のマリをはじめとする西アフリカの夏雨型半乾燥地帯への技術移転という、「南の国」同志の間での新しい交流の可能性を探ることにも連なって行くのである。

結論

「農耕のような環境利用技術における技術移転は、類似した生態環境系の間でなされなくてはならない。温帯湿潤地帯に位置する先進国の技術が、そのまま熱帯でも通用すると思うのは、思いあがりである。」

東南アジア地域研究専攻
連環地域論講座

応地利明
E-mal:ohji@asafas.kyoto-u.ac.jp
 

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