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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第十六回 「食糧生産と環境保全」
 
 

Contents

1.MAPNETプロジェクト

2.地域研究のアプローチ

3.東北タイとの関わり

4.ムラ研究の楽しさともどかしさ

5.「地べたを這いずり回る」と「鳥瞰する」

6.大学院生との共同研究

7.数値データで地域を語る

8.地域と地球

  

6.大学院生との共同研究

 もう一つ、研究方法で強調したい点があります。それは、日本人や現地の人も含めた大学院生にメンバーに入ってもらい、積極的に活躍してもらう、ということです。教官は忙しくてなかなか長期で現地に滞在することができない、だから代わりに大学院生に行ってもらう、というだけの理由ではありません。より積極的な理由があります。自分で収集したデータは、それぞれの血となり肉となっていきます。生のモノを見て、生の人に接することは、果てしない情報と想像力の源です。新鮮な驚きを覚え、根源的な疑問にぶつかってこそ人生は楽しいのだと思います。私自身の初めての海外調査は、大学院修士課程の時でした。当時は、大学院生が海外調査をするなんてまだ珍しかった時代です。でもその経験は、いまでも生き続けています。

作物モデルを開発・検証するために、毎年、約200箇所の農家圃場を選定し、作物生育や土壌水分動態を定期的にモニタリングした。この作業は、日本人の大学院生とカウンターパートであるコンケン大学の卒業生が担当してくれました。写真はキャッサバ畑での作業風景。この写真はGPSカメラで撮影した。写真上部に、撮影日時と撮影場所の緯経度が記録されている。