<< 東南アジア地域研究専攻 2000年度目次へ戻る

2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第十六回 「食糧生産と環境保全」
 
 

Contents

1.MAPNETプロジェクト

2.地域研究のアプローチ

3.東北タイとの関わり

4.ムラ研究の楽しさともどかしさ

5.「地べたを這いずり回る」と「鳥瞰する」

6.大学院生との共同研究

7.数値データで地域を語る

8.地域と地球

  

8.地域と地球

 私は、自分の仕事は地域と地球をつなぐ仕事だと思っています。それぞれの地域は、独自の発展過程を経てきており、固有の自然環境や社会経済システムをもっています。それがうまく抽出できるかどうかは別として、個別の意思さえもっているのかもしれません。このような地域の固有性は尊重しなければなりませんし、個性ある多様な地域が併存していることは人類社会の財産であると思います。一方、重層的な地域の頂点に立つ地球全体としても、気候変動や生物多様性など、考えていかなければならない課題があります。地域の論理と地球の論理は時にぶつかります。その時に、どちらかがどちらかに論理を押しつけるのではなく、両者の協調を探っていかなければなりません。そのためには両者の論理を包摂する視点を提示し、それを踏まえた統合モデルを構築していく必要があります。最後はちょっと抽象的になりましたが、要するに、いろいろなものがmixtureしていくことが大切なのではないでしょうか、この写真のように。

村人と踊りに興じる私たち。酒を飲んだり、踊ったり、議論したりしながらmixtureが進んでいけばいいのになあ。