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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第二十三回 「クアラルンプルのサマ人:都市就労のマレーシア的文脈」
 
 

Contents

1.普遍現象の個別文脈

2.海民

3.マレーシアのサマ人

4.クアラルンプルにおける就労状況

5.マレーシアという文脈

  

1.普遍現象の個別文脈

 東南アジアでは1960年代の後半から、都市、特に首都圏への地方からの出稼ぎ、人口流入が急速に進んだ。都市就労は、東南アジアで普遍的に確認される現象なのであるが、個々の都市就労が生じる文脈は異なっている。逆にいえば、普遍的な現象であっても、個々の事例からそれが生じる国家ごとの、あるいは地域ごとの文脈を見通すことができるかもしれないということである。私は、1999年まで2年間、マレーシア・サバ州のサマ人集落に住んでフィールド調査をおこなった。この講座を書く少し前、8月に1週間ほど調査村を再訪した。前回の調査時に盛んになりつつあった都市就労が、再訪した時にはさらに顕著になっていた。ここでは、サマ人の都市就労、特に半島部における都市就労の展開を、マレーシアという文脈のなかに位置づけて考えてみよう。

(写真1.サンゴ礁の島/インドネシア・中部スラウェシ州・トリトリ付近)

東南アジア地域研究専攻
地域進化論講座

長津一史
E-mal:nagatsu@asafas.kyoto-u.ac.jp