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第7回(通算第32回)
「ラオスの水産資源利用とその変化」
岩田明久:生態環境論講座

Contents

1.ラオスの水産資源の特徴

2.ラオスの水産資源利用と管理の特徴

3.ラオスの水産資源利用と管理の変化

4.政府の政策

5.利用することがまもること

3ラオスの水産資源利用と管理の変化

 ベトナム戦争による爆撃と枯葉剤散布はこの国の水産資源の重大な減少に関わる要因のひとつです。1975年の革命後、ナイロン網の多用、市場・貨幣経済の浸透、道路整備、氷と保冷箱の普及、タイの内水面水産資源の減少によるラオスからの輸出等が要因となり乱獲傾向が生じています。主にタイに電力を販売するために建設されるダムは魚類の生態と河川環境を劇的に変化させ、水産資源や漁労、利用法に大きな変化をもたらします。また、潅漑整備も同様の変化を生じさせます。森林伐採は表土流出を引き起こし、山の保水力を低下させ、水域の環境を悪化させています。


サヴァナケート県、セポンにて。
国道9号線はべトナム戦争当時
ホーチミンルートの一部で、
この地はB52による絨毯爆撃をうけた。
さまざまな種類の不発弾を柱にして
作られたブーゲンビリアの花棚。