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第7回(通算第32回)
「ラオスの水産資源利用とその変化」
岩田明久:生態環境論講座

Contents

1.ラオスの水産資源の特徴

2.ラオスの水産資源利用と管理の特徴

3.ラオスの水産資源利用と管理の変化

4.政府の政策

5.利用することがまもること

5利用することがまもること

 水産資源の多様性がこの国の文化を支えているのは間違いありません。モノカルチュラルな養殖魚だけでこれを継続させていくことは不可能です。とすれば水産資源の多様性を維持するために水域生態環境を良好に保ってゆくことが問題となります。水産資源に対する負のインパクトを増やさないのはもちろんですが、地域住民が多様な資源のそれぞれに関心を持ちつつ利用し続けることが最大の環境保全活動と思われます。また、それらを構成する種類の生態を解明し、その地域の文化と生活リズムにあった漁業規制を実行してゆくことも必要でしょう。


雨期の始め、
ナムスイの灌漑堰を超えて流れ出す水際で魚を獲る。
婦人や子供達も立派な魚獲り。
灌漑による乾期作でクモヘリカメムシ
という稲の害虫が大発生し、米はまずいばかりでなく
この虫の臭い匂いのついた藁は牛が
食べなくなってしまった。
水田に生息する魚やカエル類の農薬汚染も心配、
これら全てがこの地域の人々の口に入るのだから。
サヴァナケート県、ケンコク郊外。