ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第十回 「儀礼・歴史・アイデンティティ−インド・オリッサのラモチョンディ女神祭祀−」
東南アジア地域研究専攻 田辺明生(連環地域論講座)
 
 

2−3、儀礼の過程:供犠と軍事行進


「供犠獣の血を直接飲むシャーマン=女神」

 シャーマンに憑依した女神の力が確認され、王宮跡にて料理された供物が捧げられる。首長の家の前でも供物を捧げた後、王の名で羊の供犠がなされる。ここで初めてバラモンが登場し、マントラにより羊を聖別する。羊の頭が落とされると、シャーマンは直接羊の胴体から血を飲むが、直後にシャーマンは崩れ落ちるように倒れる。女神の力はシャーマンを離れたのである。その後は太刀が女神の力の依り代として礼拝される。祭祀の最終日には、首長が太刀を持ち、他の戦士と共に擬似的軍事行進を行う。

Contents

1-1、アイデンティティ
   形成の場としての儀礼

1-2、儀礼から何がわかるのか?

2、儀礼の過程
2-1、礼拝と憑依

2-2、女神が太刀をとる
2-3、供犠と軍事行進

3、儀礼の解釈
3-1、象徴体系の視点から

3-2、政治・社会体系の視点から
3-3、歴史ドラマとして

4-1、歴史の中の儀礼
   /儀礼の中の歴史

4-2、演ぜられない植民地経験

5、ポスト植民地期における
    アイデンティティ形成

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