ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第十回 「儀礼・歴史・アイデンティティ−インド・オリッサのラモチョンディ女神祭祀−」
東南アジア地域研究専攻 田辺明生(連環地域論講座)
 
 

3−2、儀礼の解釈:政治・社会体系の視点から


「太刀を持ち、擬似的軍事行進に向かう首長(写真中央)」

 当儀礼は社会組織原理の転変の過程としても見ることができる。まずは境界と秩序が消失し、女神の前の平等が実現する。首長も女神=シャーマンにひれ伏せざるを得ない。しかしバラモンの登場により、浄・不浄のヒエラルキーが成立する。さらに王の権威と女神の力をいただいた首長の軍事行進により政治的な中心・周縁の体系が表象・確認される。

Contents

1-1、アイデンティティ
   形成の場としての儀礼

1-2、儀礼から何がわかるのか?

2、儀礼の過程
2-1、礼拝と憑依

2-2、女神が太刀をとる
2-3、供犠と軍事行進

3、儀礼の解釈
3-1、象徴体系の視点から

3-2、政治・社会体系の視点から
3-3、歴史ドラマとして

4-1、歴史の中の儀礼
   /儀礼の中の歴史

4-2、演ぜられない植民地経験

5、ポスト植民地期における
    アイデンティティ形成

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